2011 Fiscal Year Annual Research Report
T細胞共刺激因子B7.2による抗腫瘍細胞障害性T細胞の誘導増強機構の解析
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23890106
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平岡 慎一郎 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (70615616)
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Keywords | 腫瘍免疫 / 悪性腫瘍 / 細胞傷害性T細胞 |
Research Abstract |
研究の目的 1.悪性腫瘍の治療法として、手術療法、化学療法、放射線療法があるが、第4の治療として、抗腫瘍免疫療法が注目されている。しかしながら癌細胞の巧妙な免疫回避機構により、既存の治療と比して高い治療成績を残せていないのが現状である。申請者らは以前に、B7.2-免疫グロブリン融合タンパク(以下B7.2)をin vivoで担癌マウスへ投与することにより、a)IL-4依存性、b)CD8+細胞傷害性T細胞(以下CTL)媒介性による腫瘍拒絶が誘導されることを報告し、in vitroにおいても、B7.2でのCTL誘導機構にはIL-4が必要である事を報告した。 2.本研究は、T細胞共刺激因子B7.2-Igによる抗腫瘍CTLの誘導増強機構を当さらに解析し、悪性腫瘍に対する抗腫瘍免疫療法の臨床応用に向けた抗腫瘍免疫応答の誘導機構を解明することを目的とする。 研究は、in vivoでマウス扁平上皮癌細胞(NR-S1)または免疫原性の非常に強いマウス白血病細胞(LSTRA)を接種し担癌状態にしたマウスの脾臓から、脾細胞全画分をin vitroでB7.2の存在下で培養しCTLを誘導を試みたところ、CTL細胞障害テスト(DNA fragmentation assay)において、LSTRAに対しては高率にCTLを誘導することが出来た。一方NR-S1においては、CTLの誘導が充分に行えなかった。それは免疫原性の低さあるいは、免疫回避機構に起因すると思われた。そこで、以降の研究をLSTRAを使用した実験系を採用し継続している。 (脾細胞からCTLの培養) 脾細胞全画分あるいは調整した細胞集団(5×106)を予めB7.2あるいはIL-12、を10μg/wellコーティングした24穴プレートで10% FCS、2-mercaptoethanolを含む2mlのRPMI 1640培養液中、37℃、5% CO2の条件下にて1~5日間培養しCTLを作成する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
二つの異なる腫瘍系において、同様に高率に細胞障害性T細胞の誘導を試み、至適条件を決定使用としたが、一つの腫瘍系において、CTLIの誘導が困難であったため。
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Strategy for Future Research Activity |
高率にCTLを誘導できたLSTRAの実験系を用いて、抗腫瘍免疫応答動態を検討する。In vivoで担癌マウスにCTLを投与するためのCTLの安定培養を試みる。またin vivoの実験系においては、T細胞に抑制性のシグナルを伝達するCTLA-4も実験系に加え、検討を行う。
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