2012 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性骨破壊過程におけるアデノシンの骨免疫制御機構
Project/Area Number |
23890110
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹立 匡秀 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (60452447)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | アデノシン / 骨代謝 / CD73 / 骨芽細胞 |
Research Abstract |
本研究課題では、プリン代謝産物の一つであるアデノシン(Ado)に着目し、骨代謝の炎症性制御における同分子の役割について解析を行った。平成24年度の研究成果について以下に報告する。 内因性Ado産生酵素であるCD73分子の炎症性骨吸収過程における役割を明らかにするために、野生型マウスの上顎第二臼歯歯頸部周囲に絹糸を縫合し歯周炎を惹起、同組織におけるCD73分子の発現について解析した。絹糸縫合3日後に、歯槽骨の吸収がマイクロCTにて確認されたが、免疫染色の結果、同骨吸収部におけるCD73分子の発現は非吸収部の歯槽骨表面における発現と著明な差を認めなかった。 続いてin vitroにて炎症性サイトカインIL-1 betaが骨芽細胞のAdo受容体(AdoR)発現に及ぼす影響について解析したところ、IL-1beta刺激はマウス骨芽細胞MC3T3E1のA2aAdoRの発現を抑制しA2bAdoRの発現を誘導した。この発現変化はCD73分子を強発現させたMC3T3E1細胞(MC-CD73)においても確認された。このことはCD73分子を介して産生されたAdoがA2bAdoRのシグナルを介して、骨芽細胞の炎症反応制御に関与している可能性を示唆している。また、MC-CD73における破骨細胞分化制御因子(RANKLおよびOPG)の発現について検討したところ、同細胞におけるOPGの発現はコントロール細胞と比較してほぼ同等であったが、RANKL発現については上昇していることが明らかとなった。さらにIL-1beta刺激により、同RANKL発現は増強されることが示唆された。このことはCD73分子を介して産生されたAdoが骨芽細胞におけるRANKL発現を制御することにより破骨細胞分化制御に関与していることを示唆している。以上の結果から、Adoが炎症に伴う骨破壊に関与している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)