2011 Fiscal Year Annual Research Report
IRF4のメタボリック症候群における慢性炎症制御機構と創薬への展開
Project/Area Number |
23890116
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
江口 潤 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (60616366)
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Keywords | IRF4 / マクロファージ / インスリン抵抗性 |
Research Abstract |
平成23年度の実施目標に照らし合わせながら平成23年度の研究成果を概説する。 1.脂肪組織中のマクロファージにおけるIRF4の発現検討 高脂肪食負荷をした野生型マウスの脂肪組織からセルソーティングによりマクロファージを分離し、高脂肪負荷後1,2,4,8,12週の脂肪組織マクロファージ(ATM)におけるIRF4の発現を検討した。その結果、負荷後2週間までは、ATMのIRF4の発現は通常食群と比較し有為に上昇するが、以後発現は低下した。 2.マクロファージにおけるIRF4の発現調節の検討 腹腔内マクロファージと骨髄マクロファージをLPS,パルミチン酸、IL-4により刺激すると、いずれの刺激によってもIRF4の発現は上昇した。 3.IRF4KOマクロフージの表現形の解析 野生型マウスとKOマウスの腹腔内マクロファージと骨髄マクロファージを採取し、LPS,パルミチン酸により刺激すると、KOマクロファージでは野生型と比較し炎症性サイトカインの産生は増加した。 4.IRF4KOマクロフージと培養脂肪細胞の共培養系を用いたインスリン感受性の検討 2種類の共培養系を用いて野生型マクロファージとIRF4KOマクロファージの脂肪細胞におけるインスリン応答性の糖取り込み、インスリンシグナルを検討した。その結果、IRF4KOマクロファージと共培養した脂肪細胞では野生型マクロファージとの共培養と比較しインスリン応答性の糖取り込みの低下、インスリンシグナルの減弱を認めた。すなわち、IRF4KOマクロファージは脂肪細胞へインスリン抵抗性を惹起することがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で記したように平成23年度の実施目標はほぼ達成しているため、(2)と判定した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の実施目標に沿って、研究を進めて行く予定である。 特に実験経過の変更は予定していない。
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