2011 Fiscal Year Annual Research Report
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23890120
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
瀧川 朋亨 岡山大学, 大学病院, 医員 (80613166)
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Keywords | 脊柱側弯症 / 画像解析 / 3次元 |
Research Abstract |
弯曲が40-50度を超えるような高度側弯では、側方への単純な弯曲だけではなく、3次元的な変形、回旋屈曲を伴っているため、詳細な評価が必須である。しかし臨床・手術で必要とされる様な脊椎の弯曲/回旋/屈曲/変形/併進を高い精度で自動解析する診断・評価法は存在しない。そこで我々は精度の高い診断法の開発をめざし研究を行った。まず、脊柱側弯症患者のCT-DICOMデータから3次元骨モデルを作成した。これらを元に骨表面を形成する点群の座標情報であるpoint cloud dataに変換した。Point cloud dataから上下の椎体終板および椎体後壁のみを抽出し、それぞれを微小三角形群で構成されるメッシュに置換した。抽出の際には境界(辺縁)の決定が重要であるが、微小三角形の法線ベクトルの傾きの範囲を規定することで、この抽出過程を自動化した。各椎体の立体モデルにおける座標中心を原点、上下の椎体終板における固有ベクトルの平均の向きをz軸とした。椎体後壁の固有ベクトルをz面に投影したベクトルの向きをx軸、これらx軸とz軸の直交ベクトルをy軸として、各椎体において局所座標系を作成した。各局所座標系同士の傾きならびにグローバル座標との傾きによって3次元的に脊柱の屈曲回旋を評価する測定系を作成した。この新しい3次元評価法を検定するための、任意に屈曲、回旋角を規定できる人体模型による脊柱側弯症モデルを作成した。これまで検者間、検者内の誤差が非常に大きかった側弯症患者の脊椎の画像評価が、我々の3次元的な評価法によってより高い精度で行えるようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
人体模型モデルを海外から購入したため、入手までに時間がかかり、モデルを使用しての実測値と画像上の測定値との比較検討が予定よりも遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はより詳細な検討をすすめ、椎体前方/後方要素、椎間関節、椎弓根の不均衡が脊柱側弯症の病態および進行に与えるメカニズムをバイオメカの観点から明らかにする予定である。また我々の3次元評価法を組み込んだ手術支援ナビゲーションシステムを開発し、その精度・有用性を明らかにする予定である。
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