2011 Fiscal Year Annual Research Report
いびきの音響解析を用いた睡眠中の気道狭窄部位の診断法の開発
Project/Area Number |
23890141
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
菅 北斗 山口大学, 医学部附属病院, 医員 (40610621)
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Keywords | 睡眠時無呼吸症候群 / 音響解析 / いびき / 流体解析 |
Research Abstract |
閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の治療をより効果的に行うために、OSASに随伴するいびき音の音響分析法を開発し、これを用いて睡眠中の気道の狭窄部位を診断する方法を確立し、さらに口腔内装置(OA)の作用機序を明らかにすることを目的とした。そのために今年度はOAによる治療前後におけるいびき音、PSG検査およびCT検査などの資料採取を行うことを計画した。2年間でOSAS患者50名の試料採取を目標としているが、平成23年度はOA治療前後のPSGおよびCTデータの試料が採取できたものが10名、治療前のみPSGおよびCTデータの試料が採取できたものが9名いる。しかし、いびき音の試料採取はまだできていない。 また、OAの作用機序を明らかにするために、今年度およびそれ以前に採取できているCTデータをもとに、OA治療前後の体積・断面積を比較したところ、半固定型OAではPNS後方部で気道の断面積が増大している(n=11,P=0,016)のに対して、固定型OAでは舌根部付近で断面積が増大している(n=9,P=0.008)ことが分かった。さらに流体解析(Computational Fluid Dynamics: CFD)ソフトFluent14.0(ANSYS,USA)を使用し、詳細な気道形態の変化を解析している。現段階では流体解析によって気道の狭窄部位では気流速度が増加し、壁面圧力が陰圧となることが分かった。この結果より、狭窄部位にさらに陰圧が加わることにより気道の狭窄を助長させ、最終的に気道の閉塞をおこすことが示唆される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
OSAS患者のPSGおよびCTデータの採取はほぼ予定どおり採取できているが、いびき音のデータはまだ採取できていない状態であり計画よりも遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
H24年度はまず遅れているいびき音の採取に取り組む予定である。いびき音を録音する環境として雑音を避けるために入院下でなおかつ個室であることが望まれるが、個室の使用に制限があり、個室の使用が難しいのが現状である。そこで今後は2人部屋もしくは4人部屋での録音を検討している。したがって当初は2人による聴覚評価試験を行う予定であったが、3人に増やして行う予定とする。
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