2011 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ加工チタンインプラントの臨床応用に向けた骨治癒関連遺伝子のプロファイリング
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23890143
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
黒田 晋吾 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (40332796)
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Keywords | チタン / インプラント / ナノ加工 / 骨治癒 |
Research Abstract |
本研究はチタンインプラント周囲における骨治癒のメカニズムの解明と、その促進を遺伝子レベルで図ることを目的として、チタセ表面のナノ加工に着目した実験を行った。チタン合金(Ti-6Al-4V)製およびステンレススチール製のミニスクリューを作製した。チタンスクリュー表面を濃硫酸と過酸化水素水の混合液を用いた酸処理にてナノ加工し、走査型電子顕微鏡にて観察した。さらに、これらをラット脛骨に埋入し、1、3、5、7日後に灌流固定し、骨組織とともに摘出した。アルコール脱水後、Technobit 9100にてレジン包埋し、マイクロトームにて薄切切片を作成した。インプラント周囲の骨治癒様相を、走査型電子顕微鏡及びGoldner-trichrome染色を用いた骨形態計測により詳細に解析した。その結果、ナノ加工処理を行ったチタンスクリューは、対照群と比較して、周囲骨における骨量の増加は認めなかったが、骨-インプラント接触面積の増大を認めた。このことは、チタン表層のナノ加工がインプラント周囲組織への骨芽細胞の分化・遊走を促進している可能性を示唆するものである。また、スクリューインプラント周囲組織からトリフィンバーにて組織を採取し、ホモゲナイズすることで、RNAを得た。これらに対して、DNAクロアレイを用いて、発現遺伝子のプロファイリングを行った。その結果、ナノ加工インプラント周囲組織において、遺伝子発現の変化が観察された。その詳細な結果については、現在、解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に予定していた組織学的解析に加えて、平成24年度に予定していたDNAマイクロアレイを用いた、発現遺伝子のプロファイリングについても、予備的な実験を行うことができており、おおむね順調に進展していると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後,DNAマイクロアレイ(Illumina^[○!R]RatRef-12)の結果を詳細に解析し、発現遺伝子のプロファイリングを行う。またそれらの因子の骨治癒部における発現様相を,免疫組織学的手法を用いて明らかにし,その生物学的な役割を解析する。
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