2012 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ加工チタンインプラントの臨床応用に向けた骨治癒関連遺伝子のプロファイリング
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23890143
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
黒田 晋吾 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (40332796)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | ナノ加工 / 骨治癒 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
本研究はチタンインプラント周囲における骨治癒のメカニズムの解明と、その促進を遺伝子レベルで図ることを目的として、チタン表面のナノ加工に着目した実験を行った。チタン合金(Ti-6Al-4V)製ミニスクリュー表面を濃硫酸と過酸化水素水の混合液を用いた酸処理にてナノ加工した。ラットを全身麻酔後、剃毛し骨膜が露出するように皮膚切開し、直径1.0 mmのフィッシャーバーでプレドリリングを行い、スクリューを脛骨にハンドドライバーにて植立した。片側に対照群及び実験群のスクリューをそれぞれ1本ずつ埋入し、また、骨欠損部の治癒様相を観察するため、一部のラットはプレドリリングのみとした(empty hole群)。処置後、絹糸及びメタルクリップで創部を縫合した。3または5日後に、直径2 mmのトリフィンバーを用いて、スクリュー及びempty hole周囲の骨組織を採取し、ホモゲナイザーで懸濁、得られたRNAを低温保存した。これらに対して、DNAマイクロアレイを用いて、発現遺伝子のプロファイリングを行った。その結果、骨治癒部にempty hole部、実験群(ナノ加工スクリュー)および対照群で、それぞれ異なった遺伝子発現が認められた。特に、タンパク質代謝および修飾、シグナル伝達、免疫反応に関連する多くの遺伝子の発現様相に変化が認められた。また、昨年度に作成した樹脂包埋サンプルを用いた走査型電子顕微鏡を用いた骨形態計測や、ガードナートリクローム染色の結果から、骨-インプラントの接触(BIC)が実験群で有意に増加していた。これらのことから、ナノ加工チタンインプラント周囲の異なった遺伝子発現が、インプラント周囲骨の治癒の促進に寄与している可能性が示唆され、将来的な遺伝子レベルでの骨治癒促進法の確立の一助となる成果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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