2011 Fiscal Year Annual Research Report
より早期に高度なオッセオインテグレーションを達成可能な新規インプラント表面の開発
Project/Area Number |
23890153
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
坂口 真実 九州大学, 大学病院, 医員 (80608977)
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Keywords | インプラント / オッセオインテグレーション |
Research Abstract |
インプラント治療においては、治療期間の短縮や治療成績の向上、患者QOLの向上のためにインプラント体が優れたオッセオインテグレーションを獲得することが望まれる。本研究では、インプラントの素材であるチタンの表面にカルシウム(Ca)イオンを修飾することで優れたオッセオィンテグレーションを達成可能なインプラント体を創製することを目的とし、23年度はCa修飾チタンの創製とキャラクタリゼーションを行い、さらにラット骨髄細胞を用いてCa修飾チタンに対する骨結合能をin vitroで評価した。 鏡面研磨した純チタン板(直径14mm、厚さ1mm)を、オゾンガスを溶存させた10mM塩化カルシウム水溶液(25度)に浸漬し、24時間処理を施した。X線光電子分光法によって処理基盤の表面を分析した結果、チタン表面にCaが修飾できることを確認した。さらにそのCa修飾密度を発光分光分析法を用いて分析したところ、チタン1平方ナノメートルあたり、Ca原子が約300個存在していることが明らかとなった。また、その修飾密度は修飾直後、1週間後、4週間後においても変化は認められなかった。 続いてラット骨髄細胞を用いて未処理およびCa修飾チタンに対する初期細胞接着挙動、増殖挙動、分化挙動(アルカリフォスファターゼ活性)および骨石灰化(Bone-like nodule formation)に与える影響を調査した。その結果、Ca修飾チタン上の細胞は未処理のチタンよりも有意に初期接着、増殖、分化および骨石灰化が促進した。 以上のことより、チタン表面にCa修飾することで、チタンが優れたオッセオインテグレーションを獲i得する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
23年度の計画目標としてはカルシウムーオゾン処理を用いたカルシウム修飾チタンの創製とキャラクタリゼーションおよびCa修飾チタンに対する骨結合能の評価をin vitroで評価することであったが、前述のようにおおむね達成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度はCa修飾チタンインプラントに対する組織反応性および骨結合の評価を、ラットを用いて行う予定である。
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