2011 Fiscal Year Annual Research Report
新しいコンセプトに基づいた新規アパタイトコーティングインプラントの創製
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23890154
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
VALANEZHAD S.A 九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (00608870)
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Keywords | Ti インプラント / アパタイトコーティング / リン酸亜鉛 / 生体適合性 / 界面強度 |
Research Abstract |
本研究はパーカライジング法に水熱処理を組み合わせた独自の手法によって,チタン(Ti)インプラントの表面にリン酸亜鉛からなる固着相を形成させた後,溶解-析出型反応によって表面層をハイドロキシアパタイト(HAp)に組成変換することで,Tiに対し高い界面強度を有したHApコーティングを創製することを目標としています。 本年度は,最初にTi基板表面へのリン酸塩被膜調製プロセスを確立しました。温度条件および溶液組成を検討した結果,250℃で10時間水熱処理を行うことで,チタンの表面にリン酸亜鉛被膜が形成されることが明らかになりました。被膜と基板は強固に結合しており,接着強度は65MPaでした。次に,リン酸亜鉛被膜をHApへ組成変換するための処理条件を検討しました。0.5mol/L塩化カルシウム水溶液を用いて200℃で12時間水熱処理を行うことでリン酸亜鉛被膜をHApへ組成変換できることが明らかになりました。強度試験の結果は37MPaでしたが,凝集破壊の値であったことから,界面の接着強度はこれ以上であると結論付けました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Ti基板表面全体をHApでコーティングするために,当初予定していなかったTi基板の前処理が必要となり,その条件を見出すために予想以上の時間を必要としましたが,検討の結果,Ti基板表面全体をHApでコーティングする条件が明らかになり,現在はおおむね計画通り順調に進展しています。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は得られた試料の細胞学的評価と病理学的評価を行う予定です。
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