2011 Fiscal Year Annual Research Report
FCHO2による膜変形を介したEGF受容体の制御機構
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23890162
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
坂本 泰久 熊本大学, 生命科学研究部, 助教 (20613392)
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Keywords | エンドサイトーシス / EGF受容体 |
Research Abstract |
Bin-Amphiphysin-Rsv (BAR)ドメインをもつタンパク質は湾曲した分子構造を持つBARドメインを介してリン脂質に結合し、特定の形状(曲率)に生体膜を変形することで様々な細胞内イベントを制御する。本年度は、Bin-Amphiphysin-Rsv (BAR)ドメインをもつFCHO2によるEGF受容体のエンドサイトーシス、分解経路の調節機構について研究を行った。その結果、培養細胞においてFCHO2のノックダウンはEGF受容体のクラスリン依存型エンドサイトーシスを抑制することを明らかにした。またFCHO2の不在はEGF受容体による細胞内増殖シグナルの持続性に影響を与えた。これまでにFCHO2の主要な働きはエンドサイトーシスに必要なクラスリン被覆をリクルートすることであると考えられていた。しかし本研究ではFCHO2の新しい働きとして、これまで活性化機構が不明であったある種の酵素を活性化することで受容体のエンドサイトーシスを制御していることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに、FCHO2によるEGF受容体のエンドサイトーシス制御の作用点を明らかにし、細胞内シグナル伝達経路への影響も評価した。さらにFCHO2による酵素の活性化機構についての詳細な解析を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
FCHO2によって制御を受ける酵素がいかにしてEGF受容体のエンドサイトーシスを制御するかを明らかにする。さらに予想されていた酵素以外にもFCRO2によって制御を受ける可能性がある候補分子が見つかっており、計画よりも広範な解析を行う必要がある。
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