2012 Fiscal Year Annual Research Report
質量分析を用いた肝細胞癌における癌幹細胞特異的なバイオマーカーの解明
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23890164
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
土居 浩一 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (40608858)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | Side population細胞 |
Research Abstract |
7株の肝癌細胞株(HepG2, PLC/PRF/5, HuH1, HuH7, HLE, HLF, SK-Hep-1)のうち、高分化細胞株であるPLC/PRF/5とHuH1、低分化細胞株であるHLEとHLFを用いてSP細胞の特性の比較を行った。幹細胞性の代表的なアッセイであるSphere形成能を比較すると、高分化細胞2株から分離したSP細胞は非SP細胞と比較して、有意に高いSphere形成能を示したものの、低分化細胞においてはSP細胞と非SP細胞間での差は認めなかった。高分化細胞ではSP細胞は非SP細胞と比較しWestern blot法で検出したMIB1の発現が低下しており、細胞のdormancyが確認された。一方低分化細胞株においては、この差は確認できなかった。SP細胞集団はHoechst排泄能の高い細胞集団であり、このメカニズムにはABC(ATP-Binding Cassette)トランスポーターの関与が知られる。我々はHoechst排泄との関与が報告されるABCG2とABCB1の発現パターンについて4株におけるSP細胞と非SP細胞における発現を比較した。高分化細胞株においては、SP細胞にてABCG2とABCB1の発現は著明に亢進していた。一方低分化細胞株においては、SP細胞におけるABCG2、ABCB1の発現はいずれも有意に低下しており、ABCトランスポーターの発現形式が異なることを確認した。 以上の結果より、高分化細胞においては、ABCG2、ABCB1の発現が亢進しており、薬剤排泄のメカニズムにこれらのトランスポーターが関与している可能性がある。しかし、低分化細胞においてはSP細胞と非SP細胞間のPhenotypeの違いは少なく、ABCトランスポーターの発現形式も高分化細胞と逆であった。Hoechstを用いた幹細胞集団の抽出法が低分化細胞に適応できない可能性を示唆する。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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