2011 Fiscal Year Annual Research Report
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23890166
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
伊藤 隆史 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 特任講師 (20381171)
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Keywords | DAMPs / 血栓形成 / 敗血症 / DIC / ヒストン / トロンボモジュリン |
Research Abstract |
細胞壊死に伴って細胞外に逸脱した細胞内分子(Damage Associated Molecular Patterns : DAMPs)は炎症や組織修復を促す。今回我々は、リアルタイム血栓モニタリングシステムを用い、DAMPsとして報告されている分子の血栓形成能を横断的にスクリーニングした。その結果、核内タンパク質ヒストンが、血小板を活性化して血栓形成を促進し、流路を閉塞させることを見いだした。その一方で、ヒストンは凝固因子に対しては相反する作用を及ぼし、フィブリン形成を抑制し、強固な血栓形成を阻害する可能性が示唆された。これまでの研究で、敗血症の際には、血中のヒストン値が上昇することが報告されているが、今回我々はマウスを用い、血中のヒストン値が上昇すると、肺に血栓が形成され、末梢血血小板数は減少し、凝固時間が延長し、出血傾向を示すようになり、播種性血管内凝固症候群(disseminated Intravascular coagulation : DIC)とよく似た病態に陥ることを明らかにした。さらには、近年、DIC治療薬として認可されたリコンビナントトロンボモジュリン製剤はヒストンと結合し、ヒストンによるDIC様の病態を改善しうることを見いだした。これらの研究成果は、平成24年に開催される国内外の学会にて発表するとともに、英文の原著論文としてまとめ、平成24年中には査読のある国際誌に投稿する予定である。
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Research Products
(5 results)