2011 Fiscal Year Annual Research Report
無歯顎者におけるむせと嚥下時呼吸の関連に着目した視覚化システムと訓練への応用
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23890167
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
田中 帝臣 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (40613146)
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Keywords | 無歯顎者 / 嚥下 / 嚥下時呼吸 / 摂食嚥下リハビリテーション |
Research Abstract |
これまでにわれわれは、呼吸(呼息、吸息、無呼吸の判別)、嚥下の指標(喉頭挙上を計測)、嚥下関連筋の活動(口輪筋の筋活動最大値とその発現時間を分析)を計測する「嚥下呼吸同時計測方法」を確立してきた。この方法をもとに、口輪筋活動最大値、喉頭挙上については喉頭蓋が気管を閉鎖する挙上時と開放する下降時、嚥下時呼吸については呼息相、吸息相、および無呼吸発現を対象にこれらの時間関係を分析してきている。 本研究の23年度の主たる計画は、上記の方法に従い『バイオフィードバック訓練システムの構築』を行うことである。はじめに、嚥下関連筋活動と嚥下時呼吸パターンを同時に分析し、得られた情報を簡素化して画面上に提示するシステムソフトの開発検討を行なった。しかし、開発にかかる費用と時間から困難を極めたため、これまでに用いている既存の計測システムの応用を検討した。具体的には、情報を簡素化して画面上に提示するために大型ディスプレイを用意し計測データの加工を行う。また被験者がバイオフィードバック訓練を行いやすいよう嚥下動作を動画撮影し、計測データと同時に提示することとした。 しかし、その際にこれまで喉頭運動の記録に用いていた小型加速度変換機では喉頭運動の直視は困難であった。したがって、今回、小型マイクロフォンによる嚥下音の記録にて代用が可能か、本研究にて構築したシステムの全貌を含め、その妥当性を検討中である。 また、本年度の計画の一つである「むせの事前調査」については、随時進めており、被験者の抽出を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、全く新しくビジュアル化システムを構築していく予定であったのだが、実現が難しかったため、既存のシステムの応用法の検討に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、有歯顎者において本研究にて構築したシステムを検討中である。その妥当性・有益性が確認できれば、今後はむせの兆候がある被験者にて計測を行っていく計画である。また研究を遂行する上での問題点としては被験者の確保であるが、不足する場合は入院患者、医科患者も含め被験者の確保をしていく。
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