2012 Fiscal Year Annual Research Report
乳がん患者が乳がんと共に生きる力を高める看護介入方法の開発
Project/Area Number |
23890176
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Research Institution | 独立行政法人国立国際医療研究センター |
Principal Investigator |
山手 美和 独立行政法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 准教授 (80347202)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 乳がん患者 / 乳がんサバイバー / サポート |
Research Abstract |
本研究の目的は、乳がん患者自身の乳がんという健康問題を対処しようとする自己の能力だけでなく、家族、医療者や友人などの重要他者との関係性の中で、乳がんと共に生きる力をどのように高めているのかについて明らかにすることである。本年度は、昨年に引き続き、データ収集・分析を行った。研究対象者数は9名であった。データ収集は、インタビューガイドに基づき半構造化面接法にて行った。面接回数は、研究対象者1名あたり1~2回、面接時間は、平均32分(1回あたり20~63分)であった。面接内容は、乳がんと共に生きる体験・思い、乳がん治療を受ける体験とその対処、乳がんの治療過程における重要他者との関係と支援内容であった。データ分析は、継続比較法を参考に行った。 乳がん患者が、乳がんと共に生きていくためには、〔家族〕〔医療者〕〔乳がん体験者〕〔職場〕の人々と共に《治療に専念できる環境》を作り出していた。重要他者それぞれからの支援としては、次のようなものが語られていた。〔家族〕:【大きな支障なく日常生活が送れる】【ポジティブに物事を考えられるような声がけがある】【生きることを意識させられる】〔医療者〕:【信頼できる医師がいる】【診療科同士の連携を実感する】【適度ないい関係を保つ】【親身になって考えてくれる】【希望の時間に治療を行ってくれる】【乗り越え方を教えてくれる】、〔乳がん体験者〕:【病気と闘っている姿を見るだけで励ましになる】【「大丈夫」という言葉】、〔職場〕からは、【自分でもできることがあるという自信をくれる】乳がん患者自身は、受け身で治療を受けているのではなく、さまざまな支援を受けながら、《自分なりの乳がん治療の受け方》を編み出していた。乳がん患者が、「乳がんになったことでの生活」に押し潰されないように、乗り越えていくができるように、乳がんと共に生きているための支援体制が必要であると考える。
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