2012 Fiscal Year Annual Research Report
マイボーム腺および眼表面上皮の性ホルモンによる機能変化に関わる研究
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23890181
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
鈴木 智 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (30613236)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | マイボーム腺 / 脂肪酸分析 / 性ホルモン / 加齢 / ドライアイ / マイボーム腺機能不全 |
Research Abstract |
健常な30歳代の男性と女性各2名について、マイボーム腺開口部を細隙灯顕微鏡で観察し、次にマイボーム腺構造をマイボグラフィーで観察した後、眼瞼温罨法を行い、両眼の上下マイボーム腺からマイボーム腺分泌脂(meibum)を皮脂のコンタミなく採取し、脂肪酸分析に供した。この結果、健常者におけるmeibumの脂肪酸組成は、40%が飽和脂肪酸、60%が不飽和脂肪酸であり、飽和脂肪酸では圧倒的に分枝鎖脂肪酸が優位であり、不飽和脂肪酸はほとんどが一価不飽和脂肪酸であることが明らかになった。個別の脂肪酸を検討すると、meibumを構成する脂肪酸の30%以上がC18の不飽和脂肪酸であり、その中でもオレイン酸が最多であった。このことは、眼瞼温罨法の有無には関係しなかった。また今回の検討では、男女差は認められなかった。 次に、生理不順のない30歳代の女性6名を対象とし、月経周期を6つのPhaseに分け皮脂のコンタミなくmeibumの採取を行った。唾液中の性ホルモン濃度および基礎体温も合わせて計測した。さらに、age-matchedさせた30歳代男性、閉経後の女性およびage-matchedさせた60歳代男性(各6名)については、各1回meibumの採取を行った。脂肪酸分析の結果では、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の割合は同じであったが、30歳代の男女のほうが、60歳代の男女に比べ、直鎖飽和脂肪酸の割合が優位に高かった。また、月経周期の前半(Phase II)に優位に直鎖飽和脂肪酸の割合が増加し、脂肪酸組成に性周期に関係するような変化があることが明らかとなった。 本研究によって、健常者におけるmeibumの脂肪酸組成を解明することができたこと、性周期に関係する脂肪酸組成の変化を捉えられたことは、今後のマイボーム腺機能不全などの疾患におけるmeibumの組成変化の解明、新規治療法の開発へとつながると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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