2011 Fiscal Year Annual Research Report
超低出生体重児消化管疾患術後の長期静脈栄養における新組成脂肪乳剤の肝障害予防効果
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23890187
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
三谷 泰之 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (40612106)
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Keywords | 超出生体重児 / 脂肪乳剤 / 肝障害 |
Research Abstract |
今回の研究は10%中性脂肪としてMCTとLCを1対1の等量で混合しPG(大豆レシチンであるepikuron200とglycerolからphospholipaseDMで合成したリン脂質)で乳化した、新組成の脂肪乳剤を用いて行う。初年度の平成23年度は、Wistar系3週齢雄性ラットにおけるTPN(Total Parenteral Nutrition)下での至適な脂肪の総投与カロリーに占める割合を重点的に検討する予定で、内頸静脈を用いて中心静脈カテーテルを上大静脈内に挿入することを試みたが、技術的に困難で、Wistar系4週齢雄性ラットを使用した。(1)新組成PG乳化MCT/LCT剤を含むTPN群を0.6g/kg/hr(ラットに対する既存の製剤の投与限界)で持続投与(2)新組成PG乳化MCT/LCT剤を含むTPN群を1.2g/kg/hr(ラットに対する既存の製剤の投与限界の2倍量)で持続投与(3)新組成PG乳化MCT/LCT剤を含むTPN群を1.8g/kg/hr(ラットに対する既存の製剤の投与限界の3倍量)で持続投与するという3群に分け、それぞれに対し輸液ポンプ(ニプロ・FP_1200)を用いて120分間持続静脈投与を行い、直後の血清の中性脂肪、リン脂質、HDLコレステロール、AST、ALT、直接および間接ビリルビン値の測定を行った。その結果、1.2g/kg/hrおよび1.8g/kg/hrの投与速度では肝機能障害が著名で、至適速度は0.6g/kg/hrと判断した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
中心静脈留置とその後の管理に難渋し、実験の初期段階で時間を費やし、また、最終的に当初予定していたより週齢が進んだラットを使用することとなり、やや計画よりも遅れているが、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に行う予定としていた新組成脂肪乳剤の肝組織に対する長期的な影響を検討する。平成23年度は実験初期段階で時間を費やしたが、その点に関しては技術的には安定しており、研究が順調に進展し得ると考えている。その後、平成24年度に予定していた肝組織のenergy chargeを算出し、肝エネルギー代謝における新組成脂肪乳剤有用性の検討を行う予定である。
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