2011 Fiscal Year Annual Research Report
炎症制御による骨組織再生誘導を目指したNFーκB阻害剤除放性ゼラチンの検討
Project/Area Number |
23890194
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
土屋 志津 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (60610053)
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Keywords | 骨形成 / 再生医療 |
Research Abstract |
本研究の最終目標は、歯根周囲に生じた病変に対する治療において慢性炎症を制御し骨形成を促進する治療法の確立である。最終目標達成に向け、本研究では炎症抑制効果のあるBAY11-7082を徐放するシステムを構築しin vitroおよびin vivoで明らかにすることを目的としている。 まずNF-κB選択的阻害剤BAY11-7082の徐放システムの構築を目指す前に、同じくNF-κBを阻害するステロイド剤の骨形成への影響を検討した。βグリセロリン酸およびアスコルビン酸を添加することで石灰化能を誘導したマウス骨芽細胞株MC3T3-E1細胞を炎症性サイトカインTNFαで刺激した。その際、ステロイド剤であるデキサメサゾンを加え、石灰化能に関与する細胞内分子の発現・活性化を検討したところ、TNFαによって抑制された骨芽細胞の初期分化マーカーであるアルカリホスファターゼ(ALP)活性が、デキサメサゾン濃度依存的に解除された。 さらに、同じくNF-κBシグナルを阻害するステロイドコアクチベーターであるMTI-II(Macromolecular Translocation Inhibitor II)に着目し、炎症抑制効果についての検討も行った。ヒト骨肉腫細胞MG63にMTI-IIを遺伝子導入し、炎症性サイトカインTNFαで刺激後のNF-κBの転写活性を測定した結果、MTI-II濃度依存的にNF-κBの転写活性が抑制されることがわかった。以上の結果は、MTI-IIが抗炎症剤として有効であることが示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画当初は、炎症抑制効果のあるBAY11-7082を徐放するシステムを構築しin vitroおよびin vivoで明らかにすることを目的としていたが、BAY11-7082を徐放するシステムの構築に時間がかかることがわかり、同じく炎症抑制効果のあるデキサメサゾンやステロイドコアクチベータであるMTI-IIに着目し研究を進めていることから、最終目標への達成度はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画当初は、炎症抑制効果のあるBAY11-7082を徐放するシステムを構築しin vitroおよびin vivoで明らかにすることを目的としていたが、BAY11-7082を徐放するシステムの構築に時間がかかることがわかり、まずは同じく炎症抑制効果のあるデキサメサゾンやMTI-IIに着目し研究を進めるよう、変更した。今後は、MTI-IIを中心に炎症抑制効果だけではなく、骨形成への影響についても検討して行く予定である。
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Research Products
(3 results)