2011 Fiscal Year Annual Research Report
悪性黒色腫浸潤転移能に係るsmall G関連蛋白のSUMO化の修飾機構
Project/Area Number |
23890198
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
角田 加奈子 岩手医科大学, 医学部, 助教 (10611030)
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Keywords | NACC1 / 悪性黒色腫 / RAC1 / 浸潤 / 翻訳後修飾 / SUMO化 |
Research Abstract |
本研究は,悪性黒色腫の増殖・転移能の獲得に際して生じるsmall G蛋白(RAS/Rho family)およびその関連蛋白のSUO0化修飾と,その分子機能におけるNACC1(nucleus accumbens associated 1)蛋白の役割を細胞生物学的に明らかにすることをprimary end pointとする.さらに,この分子機構を基盤とした新規抗がん剤のスクリーニングシステムの構築をsecondary end pointとする. 研究成果 1)NACC1-RAC1 and/or MEK相互作用におけるSUMO化制御機構の解明. NACC1の中にあるSUMO化siteのconsensus motifの内,K167のみがSUMO化修飾を受けた.このSUMO化siteは,RAC1のSIM siteに弱いながらも結合を示した.MEKとの直接相互作用は確認できなかった. 2)NACC1-RAC1 and/or MEKによる,癌細胞運動能/増殖能の調節分子機i構の解明. RAC1のSIM siteの変異体は悪性黒色腫の浸潤転移能を抑制したが増殖能に影響を与えなかった.また,活性酸素処理や低酸素処理により,NACC1-RAC1の相互作用が強まり,また,GEF活性に何らかの影響を与えている可能性が考えられた. 3)SUMO化阻害剤のスクリーニングシステムの開発. SUMO化阻害薬のスクリーニングシステムとして,NACC1-GFP,RAC1-cherryのダブルトランスフェクタントを作成した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年の震災により,当初の研究計画から若干の遅れが生じた,そのため論文作成に必要なデータ収集・投稿の時期が3ヶ月ほど遅れたが,その後の努力により概ね投稿は終了し,成果公開の寸前まで事業は進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究は、NACC1-RAC1の阻害剤のスクリーニングに力を入れ、特許の申請を目指す方向で検討している。
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Research Products
(3 results)