2011 Fiscal Year Annual Research Report
退院支援を円滑に行う退院支援システムを構築するためのガイドラインの開発
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23890215
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
戸村 ひかり 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 助教 (20611304)
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Keywords | 退院支援 / 病院 / システム / 文献検討 / インタビュー調査 |
Research Abstract |
退院支援を効果的・効率的に行うために病院でどのようなシステムの構築が必要か示唆を得るため、国内文献の検討により「病院の退院支援に関するシステム構築(以下、システム構築)」の動向や内容を把握するするとともに、システム構築を先駆的に実施している急性期病院6施設の退院支援看護師(DPN)にヒアリング調査を実施した。 文献検討では、医学中央雑誌で2000~2010年に発表された原著論文からシステム構築に関する文献を絞り込み、最終的に26本を分析対象とした。その結果、システム構築に関する文献は2005年以降急速に増加していた。システムの『構築理由』としては、退院支援に関する国の政策や退院支援が必要な患者の増加等があげられた。『具体的な内容』としては、病院での退院支援の一連の流れや手順を示したフローシートやガイドラインの導入、退院支援が必要な患者を早期に特定するためのスクリーニング票の作成など様々な取り組みが行われていた。『構築後の効果』として、退院支援部署への相談件数の増加等があげられたが、システムを導入しても利用されなかったり、病棟看護師の業務量が増加するなど課題も明らかとなった。 次に、ヒアリング調査を実施した病院は、許可病床数が約400~1200床、平均在院日数が12~19日であった。協力者であるDPN6名は全員退院支援部署に所属し、役職は看護師長・副師長が5名で、DPNの経験年数は5~12 年であった。6施設に共通したシステムの特徴としては、退院支援部署を統合・多機能化し、前方連携・病床管理・後方連携(退院支援)を同じ場所で行って入退院の流れを一本化するなど、病院全体としての効果を考えていた。また、システムがうまく機能するために、DPNが中心となって退院支援に関与する看護職の教育を行っていた。 以上の2つの研究結果をもとに、システム構築に必要な要素を抽出することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実施計画に従って研究を遂行し成果を得られたため、目的は達成できたと考える。国内外の学会や学術雑誌での研究成果の発表については、今後実施予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に、全国の病院の退院支援に関するシステム構築の実態を把握するため、本研究で抽出された「システム構築に必要な要素」をもとに調査票を作成して全国調査を実施する予定である。
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