2012 Fiscal Year Annual Research Report
大脳皮質味覚野の局所回路におけるシナプス伝達に対する一酸化窒素の作用機序
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23890216
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
山本 清文 日本大学, 歯学部, 専修研究員 (30609764)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 神経生理 / 島皮質 / シナプス伝達 / 味覚 / IPSC |
Research Abstract |
過去の研究により、島皮質内抑制性シナプスでムスカリン受容体を介した伝達物質放出の修飾が、発火特性などの膜応答特性によって分類されるシナプス後側ニューロンの種類に依存することが明らかとなった。したがって、シナプス前終末はシナプス後ニューロンの性質を識別し、ニューロンの特性に応じて放出を節するのであると推察された。そのためシナプス後側ニューロンによって産生され放出されるレトロ・グレードメッセンジャーがこれらの識別機構に寄与する可能性を検討した。パッチクランプ法によって膜電流をニューロンから同時に記録し、NO のドナーであるSNAP を投与し脱分極性パルスによって誘発した単一シナプス後電流におよぼすNO の影響ならびにエンドカンナビノイドの影響を検討した。 Venus 蛍光タンパクノックインラットを用い、既報に基づく方法によって急性脳スライス標本を作製した。ホールセルパッチクランプ法によって膜電流・膜電位を記録し、脱分極性電流パルスによって惹起される発火パターンによってニューロンタイプを同定した。SNAP存在下における抑制性シナプス応答は、fast-spiking (FS)ニューロン-Pyr間やFS-interN間シナプスで増強または減弱した。一方、シナプス前ニューロンがlate-spiking, reglur-spikingならびにlow thresholdニューロンで構成されるnonFSニューロン-PyrならびにnonFS-interNシナプスは減弱応答が観察された。一方、島領野抑制性シナプス応答におよぼすエンドカンナビノイド受容体アゴニストは認められなかった。シナプス後側ニューロンによって産生・放出されるNOがシナプス伝達の調節機構に貢献し、終末がターゲットするシナプス後側ニューロンの種類や性質の判別に寄与すると推察される。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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