2011 Fiscal Year Annual Research Report
肢体不自由児施設での性と生の教育プログラムの構築に関する研究
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23890221
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
寺本 正恵 東京工科大学, 医療保健学部, 助手 (40614623)
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Keywords | 肢体不自由 / 精神発達遅滞 / 被措置児童 / 性と生の教育 / セルフケア |
Research Abstract |
肢体不自由児施設での性に関する先行研究は該当がなく、キーワードを肢体不自由児・発達障がい児・児童養護施設入所児それぞれに分けた文献を取り寄せ、熟読を行った。思春期学会・看護研究学会・看護科学学会等に参加し、現在行われている性教育関連の研究についての情報収集を行い、研究協力者である小児看護学木内妙子教授より、小児を取巻く社会的現状や課題についてご教授頂いた。 研究フィールドであるA肢体不自由児施設には、非常勤講師として出向き、施設職員と共に入所児の性に関する実態について把握を行った。具体的には、(1)施設で生じている性(生)の問題事例についてディスカッション、(2)A施設入所児童の入浴時・排泄時・更衣時でのセルフケア評価、(3)対象児のシート作成及び、身体障がい・知的レベル・養育環境等の情報整理、以上3点である。 これらの研究活動を通し、肢体不自由・精神発達障がい・被虐待児の性(生)の現状および、A施設に入所する児童の性(生)課題を他職種との合意の上、明らかにした。 施設の倫理委員会承認を経て、言語的コミュニケーションの取れる学童期~思春期の入所児童13名と面談を実施し、性に関する思いや要望について施設職員と共に聞き取りを行った。その上で、平成22年から実施している「性教育ミニ講座」を継続した。内容は、(1)二次性徴における体と心の変化、(2)プライベートゾーン・プライベートエリア、(3)命の始まりから誕生、(4)性感染症・妊娠・デートDVである。その内容を季刊SEXUALITY(エイデル研究所出版)に掲載し、性教育ミニ講座を受けた子ども達の感想をまとめ、第56回全国肢体不自由児療育研究大会で発表を行い、他施設との情報交換を行った。 今年度の研究活動により、1施設ではあるが肢体不自由児施設で暮らす児童の性の現状、及び作成した性教育における気持ちの変化や課題が明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文献検討やフィールドでの活動を通し、肢体不自由児施設での教育の実際と課題を明らかにすることができたが、学際的な分析や明らかにされた課題より、介入すべき要素の抽出などにはまだ至っておらず、今後の課題とする。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に研究活動で得た、肢体不自由児施設での教育の実際と課題を学際的に分析し、その中で抽出された介入すべき要素を基に性教育プログラムを作成する。
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