2011 Fiscal Year Annual Research Report
良姿勢保持に必要な腹筋群の形態的特性の検証および評価方法の開発
Project/Area Number |
23890223
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Research Institution | Fukui University of Technology |
Principal Investigator |
野口 雄慶 福井工業大学, 工学部, 講師 (50610581)
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Keywords | 超音波画像診断 / 腹筋群 / 筋厚 / 姿勢 / 筋力 / 測定評価 |
Research Abstract |
腰痛予防あるいは改善のための運動は、主に良姿勢(適度な脊椎彎曲、骨盤傾斜)を保持するために必要な筋機能(腹筋群や背筋群)の向上を目的としている。現在、運動学的には姿勢保持に必要な筋群と対応する身体動作の特定は解明されているものの、体表面から非侵襲的、かつ簡便に筋量あるいは筋断面積の変化を測定する方法についてはまだ実用段階に至っておらず、運動効果を適切に評価する方法が未開発の状態である。腹筋群は腹腔の内圧を上昇させ、背筋群と連動して脊椎の彎曲を制限し、骨盤の過度の前屈を抑制・安定させる働きがあり、腰痛予防の観点からも非常に重要である。 本年度は、腹部筋厚の測定に向け、姿勢や筋力発揮条件、あるいは検者の熟練度による測定値の試行間信頼性への影響など、実用化に向けて未解決の問題について明らかにすることを目的とした。 熟練者1名と初心者2名の検者が、超音波画像診断装置を用いて成人男子13名の(1)腹直筋、(2)外腹斜筋、(3)内腹斜筋、および(4)腹横筋を姿勢(立位、仰臥位)×筋力発揮状態(脱力、筋力発揮)の4条件で測定した。試行間信頼性(ICC)を検討した結果、初心者検者1名の仰臥位脱力時の(4)のみ低かった(ICC=0.53)が、その他は3名の検者ともすべて高かった(ICC=0.71以上)。腹筋群は姿勢や筋力発揮状態によって、外・内腹斜筋や腹横筋の信頼性が低かったり、検者の熟練度が影響する可能性が示唆された。以上の結果より、立位時の脱力および筋発揮条件が今後の測定に有効であると判断した。 更に、腹部筋力測定器を開発し、腹部筋厚と筋力の関係について検討している。助成期間終了後も継続してこれらの研究成果をまとめていく予定である。
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Research Products
(1 results)