2011 Fiscal Year Annual Research Report
微量栄養素摂取行動制御機構の行動学的及び神経科学的解析
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23890224
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
安尾 敏明 朝日大学, 歯学部, 助教 (30608469)
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Keywords | 歯学 / 生理学 |
Research Abstract |
ビタミン、ミネラルなどの微量栄養素は三大栄養素と同様に生体にとって必要不可欠である。ところが、これらの必要量は微量であるため、どのように動物はこれらの栄養素を検知し摂取しているのかその詳細については不明である。本研究では、この機序を明らかにするため、体内に長期間保存することができず、頻繁に体内摂取する必要があるビタミンCに着目し、以下の実験を行った。 先ずは、ビタミンC欠乏時にビタミンCに対する嗜好性が欠乏前と比べて変化するのかどうかを明らかにするため、48時間二瓶法(蒸留水とビタミンC水溶液)にて、ビタミンC合成能欠如ラットにおける欠乏前後でのビタミンCに対する嗜好性を比較検討した。その結果、ビタミンCに対する嗜好性は欠乏前に比べ、欠乏時では有意に増加することが明らかとなった。また、コントロールとして(ビタミンC合成能がある)野生型ラットを用いて、同様の実験を行ったが、ビタミンCに対する嗜好性に変化は見られなかった。以上のことから、体内にビタミンCが不足した場合、その嗜好性を増加させ、摂取行動を引き起こすメカニズムが生体内に存在することが示唆された。また、ラットはビタミンC水溶液を水と区別し、飲水していることから、味覚としてビタミンCを感知している可能性が考えられた。 次に、ビタミンC欠乏時に、五基本味(甘味、苦味、うま味、酸味、塩味)に対する嗜好性は変化するのかどうかを明らかにするために、48時間二瓶法と10分間(短時間)二瓶法を用いて現在解析を行っている。この実験では、代謝ケージを用い、各動物の飲水量や体重の測定に加え、摂餌量や尿量の測定も行い、摂食状態や排泄状態も記録している。 以上の実験を行い、ビタミンCが欠乏した場合、特定の味質に対する嗜好性を変化させることによって、その欠乏したビタミンCを摂取するという機構が生体に存在するのかどうかを今後明らかにしていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの研究により、体内のビタミンCが欠乏すると、ビタミンCに対する嗜好性は増加し、ビタミンCの摂取行動が引き起こされることが示された。しかし、ビタミンC欠乏時に五基本味に対する嗜好性は変化するのかどうかはまだ明らかとなっていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
ビタミンC欠乏時に、五基本味に対する嗜好性が変化しているのかどうかを明らかにするために、48時間二瓶法にて解析を行う。欠乏時にある特定の味質に対する嗜好性が変化していた場合は、10分間(短時間)二瓶法等の各種実験手法も用いて解析を行い、その嗜好性の変化が味覚効果によるものなのか食後効果によるものなのかをさらに明らかにしていきたい。
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