2012 Fiscal Year Annual Research Report
フラーレンによる遺伝子導入を用いた変形性関節症の新規治療法の開発
Project/Area Number |
23890240
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
大谷 泰志 福岡大学, 医学部, 助教 (90609504)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | フラーレン / 変形性関節症 / 新規治療法 / 抗原誘発関節炎モデル |
Research Abstract |
変形性関節症は、関節軟骨の変性と滑膜炎ならびに、軟骨・骨の増殖に基づく進行性の関節変性疾患であり、QOLを向上させうる治療薬は未だ開発されていないとされる。そこで関節疼痛と関節変性の両方を制御可能な新しい変形性関節症の治療法として、フラーレンに着目し、その中でも水溶性フラーレンを用いた治療法についての研究をスターとした。フラーレンは、強力な抗酸化作用を持ち、細胞環境を整え、細胞機能を維持し増強させる作用を有することが示唆されている。昨今、フラーレンは変形性関節症ばかりでなく、がんやその他の炎症性疾患および加齢に伴う様々な病態・疾患の治療に役立つのではないかと期待されている。 これまで変形性関節症に対する治療は、非ステロイド性消炎鎮痛剤の内服やヒアルロン酸製剤の関節内注入等の対症療法により、痛みや炎症を抑える治療が中心で、根治的な療法に有効な薬剤が存在していなかった。我々の研究成果のうち、分子標的薬である抗TNF-α抗体の関節腔内局所注射により関節炎を抑制できる可能性が示されており、フラーレンによる抗酸化作用による抗炎症作用・抗変性作用に併せ、抗炎症性サイトカインの遺伝子導入を超音波遺伝子導入法により図ることで抗炎症作用のみでなく、それ以後も変形性関節症の予防が可能になる可能性がある。 現在行なっている研究としては、これまでの研究で用いた変形性関節症のモデルがウサギ抗原誘発関節炎モデルであることから、これを用いた組織学的研究につなげるためにウサギ滑膜細胞であるHIG-82細胞の継代系により、水溶性フラーレンの抗炎症・抗変性効果を実証すると共に、水溶性フラーレン存在下における正常滑膜細胞への影響を調査している。この研究については、ヒトの変形性関節炎の滑膜細胞と正常滑膜細胞も用いることで、ウサギとヒトという種による作用の差も確認することができると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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