2012 Fiscal Year Annual Research Report
段差の高さと車いす通過介助操作方法が乗り心地および介助負担に及ぼす影響
Project/Area Number |
23890246
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Research Institution | 純真学園大学 |
Principal Investigator |
能登 裕子 純真学園大学, 保健医療学部, 助教 (40615910)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 車いす / 介助方法 / 段差 |
Research Abstract |
車いす走行環境の中でも段差は、屋内外とも走行上大きな障害となる。バリアフリー化が進められているが、車いすを介助者が操作し利用する場合を視点とした段差基準や操作指針はない。本研究は、介助者が車いすを操作して段差を通過する場合の①段差高さ(階段状)が介助者の操作に及ぼす影響について、②車輪持ち上げ操作技法と乗り心地および介助負担との関係について検討し、高齢女性にも容易に通過可能な階段状段差高さの基準値と望ましい持ち上げ操作技法についての指針(ガイドライン)を提案することを目的とする。本年度は、昨年度の結果をふまえ、本研究期間に挙げている課題のうち、研究2「高齢介助者の段差通過持ち上げ動作が乗り心地と介助負担に及ぼす影響と望ましい操作指針の明確化」を中心に行った。 実験は、60歳代女性介助者11名と20歳代女性乗車者2名(体重を固定)を対象とし、5~150mmの高さ8条件の階段状段差と2種類の乗り上げ方法(前・後輪押し付け・前輪持ち上げ)を設け、段差通過区間における車いすの走行軌跡や介助者の操作姿勢などを計測した。その結果、段差高さ60mmを境に、介助者の操作の難易度が上昇した。さらに、90mmを超えると介助者によっては乗り上げが不可能となるとともに、乗車者の乗り心地が低下した。段差の高さ、介助者の技術レベル、握力によっては転倒などの危険性が生じることを考慮する必要がある。前輪持ち上げ操作に着目すると、前輪を持ち上げたまま推進する操作は、乗車者の乗り心地を低下させた。車いす走行軌跡から介助者の操作指標について検討した結果、持ち上げ前の前輪位置および前輪持ち上げ高さを調整することにより、望ましい操作につながる可能性が示された。高齢介助者や経験値の低い介助者が安全に介助操作を実施できるよう推進する必要性と、段差乗り上げ操作が実施しやすい標準型車いすへの改善の必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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