2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23890258
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Research Institution | 独立行政法人国立病院機構東京医療センター臨床研究センター |
Principal Investigator |
家島 大輔 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), 分子細胞生物学研究部, 研究員 (10617137)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | AMD / HtrA1 / ARMS2 |
Research Abstract |
本研究では、ヒトのWet-AMDの感受性遺伝子として知られる、ARMS2-HtrA1がAMDの発症に及ぼすメカニズムを明らかにすること目的として行った。本研究では、これまでに、東京医療センター倫理委員会の承認のもと、外来の滲出型加齢黄斑変性患者200人より採血を行い、抽出したゲノムDNAを用いて、ARMS2-HtrA1のシークエンスを調べた。 その結果、HtrA1遺伝子のエクソン1上流において約400baseにわたって、患者に有意な大規模な欠損変異が見つかった。さらにこの変異部位を含むHtrA1のプロモーター領域をクローニングし、ARPE19 (網膜色素上皮細胞株)、RGC-5(網膜神経節細胞株)、661W(網膜視細胞株)に導入し、ルシフェラーゼアッセイを用いてプロモーター活性を調べた結果、RGC-5と661Wにおいて、この変異を有する遺伝子型で、正常型の配列よりもプロモーター活性が有意に亢進することが分かった。さらに、コンピュータによる転写因子予測、Electrophoresis Mobility Shift Assay、質量分析などを用いてこの領域に結合する転写因子を解析した結果、この遺伝子変異により、HtrA1プロモーターに結合する転写因子が変化し、生体におけるHtrA1の発現が亢進することがわかった。 これまで、動物モデルを用いた先行研究により、個体レベルでHtrA1を強制発現させると、脈絡膜から新生血管が誘導されWet-AMD類似の所見が観察されることが報告されており、生体において、HtrA1の発現が上昇することによりWet-AMDの発症が惹起されることが予測されている。本研究の結果は、HtrA1プロモーター領域の変異により、内在的にHtrA1の発現上昇が生じることを示すものであり、AMD患者で有意なこの変異が、Wet-AMDを引き起こす一因になることを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)