2024 Fiscal Year Annual Research Report
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23H00032
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| Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
渡部 森哉 南山大学, 人文学部, 教授 (00434605)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長岡 朋人 青森公立大学, 経営経済学部, 教授 (20360216)
澤藤 りかい 九州大学, 比較社会文化研究院, 講師 (50814612)
蔦谷 匠 総合研究大学院大学, 統合進化科学研究センター, 助教 (80758813)
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| Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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| Keywords | アンデス / ペルー / 人骨 / 歯石 / DNA / 動物骨 / 土器 / 埋葬形態 |
| Outline of Annual Research Achievements |
ペルー北部高地カハマルカ地方に位置するワリ帝国期の遺跡の出土遺物の分析を行った。2023年に実施したテルレン=ラ・ボンバ遺跡の第3次発掘調査の出土土器の分析を行い、図面作成を進めた。土器分析の結果、在地のカハマルカ様式、海岸カハマルカ様式、ワリ様式、シカン様式、チムー様式の土器が確認された。また埋葬形態としては、単純な土壙墓の他、大型土壙墓、壁龕付き地下式墳墓、地上式墳墓(チュルパ)などが認められる。しかし埋葬形態と土器様式が一対一で対応するという証拠は認められなかった。土器様式と埋葬形態は人間集団の多様性を示しているが、人骨そのものの分析結果と合致するかどうかを今後確認する。また、シカン様式土器とチムー様式土器はワリ帝国崩壊後、ペルー北海岸で台頭した二つの国家で用いられた土器である。ワリ帝国期の人間集団の多様性がその後の国家社会の展開とどのように連動しているかを今後検討する。 ワリ帝国期の遺跡であるエル・パラシオ、テルレン=ラ・ボンバの出土人骨の形態学的分析を終了し、日本で分析するサンプルを選定した。出土人骨の多くは複数個体の部位が重なり合った状態で出土していた。今回、性別や死亡年齢の推定、歯科疾患や外傷の調査を進めた。人間集団の多様性に伴い暴力の痕跡が増加したという作業仮説を設定したが、暴力の痕跡は予想に反して少なかった。首都ワリのアヤクーチョでは暴力の痕跡が増加したという見解もあるため、それが地域差を示すのか、あるいは暴力が増加したのがワリ帝国の末期であり時期差を示すのか今後綿密に検討する。今後、同時代の遺跡であるパレドネスの出土人骨の分析を行う。比較のためペルー北海岸の紀元前4000年に遡るクルス・ベルデ遺跡から出土した古人骨に付着した歯石について、古代DNA・プロテオーム解析を実施した。 2025年に発掘調査を実施する予定の遺跡の事前準備を行った。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ペルー北部高地カハマルカ地方の遺跡の遺物分析を予定通り進めている。またワリ遺跡出土人骨を実見し、分析を問題なく進めることができるを確認できた。日本に持ち出し手続きをしたサンプルの分析を予定通り行った。
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| Strategy for Future Research Activity |
ワリ遺跡出土人骨の形態学的分析、歯石の古代DNA・プロテオーム解析を行う。 ペルー北部高地のワリ帝国期の遺跡の出土人骨の分析を継続し、歯石の古代DNA・プロテオーム解析を行う。2025年度は動物骨の分析も行う。 ワリ帝国期の別の遺跡の発掘調査を行いデータを増やし、既存のデータと比較検討する。
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