2023 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアにおける社会的ネットワークと社会の持続可能性に関する総合的研究
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23H00061
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Research Institution | Osaka University of Commerce |
Principal Investigator |
岩井 紀子 大阪商業大学, 総合経営学部, 教授 (90223362)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 知佳 名城大学, 人間学部, 准教授 (00632267)
吉野 智美 大阪商業大学, JGSS研究センター, 研究員 (00806599)
宍戸 邦章 大阪商業大学, 公共学部, 教授 (10460784)
池田 謙一 同志社大学, 社会学部, 教授 (30151286)
岡邊 健 京都大学, 教育学研究科, 教授 (40356209)
孟 哲男 大阪商業大学, JGSS研究センター, 研究員 (60761690)
竹本 圭佑 藍野大学, 医療保健学部, 助教 (60824901)
林 萍萍 大阪商業大学, 公共学部, 助教 (80825852)
谷岡 一郎 大阪商業大学, 公共学部, 教授 (90227207)
荒牧 草平 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 教授 (90321562)
沈 育萱 大阪商業大学, JGSS研究センター, 研究員 (90963900) [Withdrawn]
西川 一二 大阪商業大学, 総合経営学部, 講師 (10781560)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 社会的ネットワーク / 社会関係資本 / 東アジア / 日本版総合的社会調査 / 社会参加 / 社会的信頼 / Covid-19 / 調査方法 |
Outline of Annual Research Achievements |
2003年から共同で「東アジア社会調査(East Asian Social Survey)」に取り組んでいる、韓国、中国、台湾チームと共同で作成した「EASS 2024ネットワークモジュール」を組み込んで、「日本版総合的社会調査JGSS-2024N」を、2024年2月から4月に実施した。社会的ネットワーク、社会参加、社会的信頼が、2012年からどのように変化し、新たにどのような課題が生じたかを捉えるために、EASS 2012ならびに日本独自の課題を含むJGSS-2012、およびJGSS-2000以来の継続課題と比較できる形で設計した。 【JGSS-2024N調査準備と実施】6-8月:調査方法の検討、調査会社選定と契約。9-11月:調査票確定と研究倫理審査書類の作成。12-1月:全国360地点抽出;調査票、自治体への閲覧依頼文、抽出要領、対象者への事前挨拶状と調査概要のパンフレット作成;20~89歳男女個人5,400人抽出;調査資料確定・印刷。2-4月:留置法で実施;2,651票(粗回収率49.1%)。 【JGSS/EASS分析報告】7月:EASSチームの企画セッション「Health and Well-being of Individuals in East Asia: Changes from 2010 through 2021」が、国際社会学会第20回世界大会(メルボルン)で採択され、司会と報告;同様に採択された日本社会学会企画セッション「Recovery, Resilience, and Regeneration beyond Disasters」で、JGSS累積データ2010~2023に基づく報告。10月:日本社会学会第96回大会のセッション「大規模災害からの復興の地域的最適解に関する総合的研究 2023」で報告。 1月:European Social Survey(ESS)の本部があるロンドン大学でEASSとESSの研究協力協定を締結;コロナ禍での調査方法の変容を各チームが報告;ウェブ調査の導入を含めた今後の方向性を議論。 【JGSS累積データに基づく資料提供】4-7月:宗教「朝日新聞」。1月:総務省統計委員会「複数領域統合型世帯調査に関する調査研究」(ウェルビーイングを測定する大規模な継続的な全国調査)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、令和5年度交付申請書に記載した実施計画にほぼ即して進んでいる。2024年2月23日に開始した実査を4月21日に終了し、データの作成を開始した。 「東アジア社会調査2024ネットワーク」モジュールを組み込んだ他のチームの調査の実施状況は次のとおりである。台湾チーム(中央研究院社会学研究所)は、台湾社会変遷調査の実査を2022年6月から12月に実施し、有効回答1,739票(回収率42%)。韓国チーム(成均館大学Social Research Center)は、Korean General Social Surveyを2023年5月から9月に実施し、有効回答1,230票(回収率51%)。中国チーム(中国人民大学National Survey Research Center)はChinese General Social Surveyを2023 年7月から12月に実施し、有効回答5,593票(回収率61.4%)。各チームは、国内データの作成とクリーニングを進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度交付申請書に記載した研究実施計画に即して、JGSS-2024Nデータの作成とクリーニングを実施し、職業・産業コーディングを2024年冬から開始する。JGSS-2024Nデータのクリーニング完了後に、EASSデータへ変換し、韓国と台湾が作成する予定のデータと統合して、「東アジア社会調査2024ネットワーク」(EASS 2024 Network)のデータを作成する。なお、中国チームのデータについては2024年1月に、「中国国家インターネット情報弁公室」が2023年6月に施行した「個人情報域外移転標準契約弁法」により、中国で収集したCGSSのデータを国外のアーカイブに寄託できなくなったと伝えられた。このため、中国のデータについては、CGSSのアーカイブから公開されているデータを基に、可能な限りEASSのフォーマットに合わせてデータを作成し、変数とカテゴリーを確認して、日韓台とパラレルなデータを作成する方針に切り替える。 EASS 2012NetworkとEASS 2024Networkデータを基に、日本・韓国・中国・台湾における人々の社会的ネットワークと社会関係資本についての比較に必要な分析を進めると同時に、日本独自の研究課題である、社会の持続可能性に関わる人々の意識と行動についての分析を行う。 JGSSデータのクリーニングとEASSのデータ統合が終了した後、JGSSデータダウンロードシステム(JGSSDDS)を通して、研究メンバーに配布する。データの一般公開については、JGSSDDSから公開するとともに、これまでどおり海外のデータアーカイブ(ICPSRとEASSDA) からも公開する。
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Remarks |
2023年度にJGSSまたはEASSデータ(国内外のアーカイブに寄託した公開データを含む)を用いて執筆された雑誌論文20、学会発表15、図書8。 本研究に基づく記事 https://jgss.daishodai.ac.jp/research/res_result.html 関連文献 https://jgss.daishodai.ac.jp/research/res_bibliography.html
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Research Products
(24 results)