2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23H00068
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
植原 啓介 慶應義塾大学, 環境情報学部(藤沢), 教授 (30286629)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 兼一 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 招へい教授 (00133140)
西田 知博 大阪学院大学, 情報学部, 教授 (00283820)
筧 捷彦 東京通信大学, 情報マネジメント学部, 名誉教授 (20062672)
安田 豊 京都産業大学, 情報理工学部, 准教授 (30283899)
高橋 尚子 國學院大學, 経済学部, 教授 (30459002)
坂東 宏和 獨協医科大学, 医学部, 講師 (50369039)
角田 博保 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 客員教授 (70152600)
中山 泰一 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (70251709)
辰己 丈夫 放送大学, 教養学部, 教授 (70257195)
谷 聖一 日本大学, 文理学部, 教授 (70266708)
中野 由章 工学院大学, 教育推進機構(公私立大学の部局等), 教授 (80388686)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | 教科情報 / 大学入試 / 学力評価手法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、初等中等教育における情報分野の学習効果の評価手法の確立を目指すものである。研究は「①典型的な問いによる評価手法の開発」、「②多肢選択問題によるIRTにもとづく評価手法の開発」、「③CBTシステムの開発」、「④評価手法の妥当性の検証」に分けて進められている。 「①典型的な問いによる評価手法の開発」では、プログラミング分野およびデータ分析分野に絞って大学入試を想定した問題を作成した。作問を通じて、作問の在り方、作問手法、作問テクニックなどに関する知見を洗い出している。次年度には、作成した問題を使って模擬試験を実施することにより、今回作成した問題が適切だったのかの検証をおこなうとともに、そのマニュアル化を進める予定である。 「②多肢選択問題によるIRTにもとづく評価手法の開発」では、問題の難易度ごとに作問指針を策定した。また、策定した作問指針に則って実際の問題を作成した。作成した問題は次年度に典型的な問題とともに模擬試験として実施し、策定した作問指針の妥当性を検証する予定である。 「③CBTシステムの開発」では、情報分野におけるCBTならではの出題方法について議論をし、オートマトン内包型CBTモジュールを試験システムであるTAO上で実施すべく、PCIを開発をした。本システムを用いることによって、出題システムの裏でロジックを動かすことができるようになり、例えばプログラムのデバッグ問題などを出題することが可能となった。今後はこのシステムを使った問題を作成する予定である。 「④評価手法の妥当性の検証」においては、次年度に模擬試験を実施すべく、模擬試験実施環境の構築、倫理審査、高校に向けた広報活動などをおこなった。 これらの活動により、作問した問題セットを使って次年度に模擬試験を実施し、評価をおこなう下地を整えることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画においては、2024年度に実施予定の模擬テストの準備をおこなうことを掲げていた。2023年度末現在、実施環境、作問等において、さらなるブラッシュアップは必要なものの、ある程度実施可能な目処がつけられた状況となっており、2024年6月からの実施を予定することができた。 また、実施予定であったTAOのPCIモジュールの開発も完成させることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度の大きな目標は、模擬試験の実施と、昨年作成した問題の評価である。また、2025年度に実施する模擬試験に向けた作問作業を進める予定である。 2024年度第1クオータには昨年度作成した問題を使用した模擬試験の実施を予定している。実施期間は2ヶ月を見込んでおり、また被験者は数百人を見込んでいる。模擬試験の実施後は、作問した問題の評価を行う予定である。典型的な問題と多肢選択問題の間での相関分析や、多肢選択問題のIRT的なパラメータの算出をおこない、作問指針の評価をおこなう。また、その結果に基づいて指針の改定をおこなう。 CBTならではの問題については、2023年度に開発をしたシステムを使った作問を2024年度中におこない、2025年度の実施を目指す。
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