2023 Fiscal Year Annual Research Report
高精度大型ウォルターミラーの開発とX線望遠鏡・X線顕微鏡への展開
Project/Area Number |
23H00156
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三村 秀和 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (30362651)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三石 郁之 名古屋大学, 理学研究科, 講師 (90725863)
江川 悟 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教 (90885469)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | X線望遠鏡 / X線顕微鏡 / ナノ精度加工 / ナノ精度計測 / 電鋳法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、大型ウォルターミラーを用いたX線望遠鏡およびX線顕微鏡において、ミラーを高精度化することで、両性能の向上を目指したものである。初年度の2023年度は、大型ミラーの高精度化のための内面計測装置および内面加工装置を設計開発した。 計測装置では、1本の計測プローブ、2本の運動補正用プローブを用いることで、走査ステージの運動誤差補正しながらミラー形状を測定する。計測プローブはミラー内面に挿入され、補正プローブは両脇に配置され平面ミラーを測定することでステージの運動誤差を測定する。大型ミラーを想定した場合、長時間の計測になるため測定の温度環境の安定性が重要となる。そのためフィードバック式の温度調整システムを整備し、±0.1度の安定性を実現した。その結果、目的とするウォルターミラーの形状の用いて1nm(RMS)の計測再現性と計測確からしさを実現した。 内面加工装置は、スラリージェットタイプの加工装置を整備した。本手法は、スラリーを加圧させノズルからスラリーをワーク表面に噴射する。XYZθステージの開発とノズルを含む噴射システムを構築し、加工装置を完成させ加工特性を調査した。両方の装置を連結させ形状修正が可能であることを確認した。 また、既存設備を使用し一部が高精度化されたマンドレルを用いて大型ミラー作製を行い、SPring-8において評価を行った。加工した領域において5秒角の角度分解能の性能であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた大型ウォルターミラーの内面計測装置および内面加工装置が整備でき、さらに既存設備を用いた大型ウォルターミラーの作製を行い、これまでよりも高い性能を確認できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
X線望遠鏡については、開発した計測装置と加工装置を用いて実際に大型ウォルターミラーの形状修正加工を実施し更なる性能向上を確認する。X線顕微鏡については、大型ウォルターミラーの性能を活かした光学設計を実施する。
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[Journal Article] Efficient and precise fabrication of Wolter type-I x-ray mirrors via nickel electroforming replication using quartz glass mandrels2023
Author(s)
G. Yamaguchi, Y. Matsuzawa, T. Kume, Y. Imamura, H. Miyashita, A. Ito, K. Sakuta, K. Ampuku, R. Fujii, K. Hiraguri, H. Hashizume, I. Mitsuishi, H. Mimura
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Journal Title
Review of Scientific Instruments
Volume: 94
Pages: 124501
DOI
Peer Reviewed
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