2023 Fiscal Year Annual Research Report
Heterogeneous data-computing and fault modeling for earthquake mitigation
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23H00213
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
市村 強 東京大学, 地震研究所, 教授 (20333833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 高峰 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海域地震火山部門(地震津波予測研究開発センター), センター長 (00359176)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 地震シミュレーション / 断層モデリング / 地殻 |
Outline of Annual Research Achievements |
「大規模地殻有限要素モデルを用いた地殻の解析を行い,観測データを再現するように強非線形なプレート間震源域の複雑な状態を推定する問題」を解析可能とするために,本研究課題では,a) 地殻に関する超高速大規模有限要素解析の研究開発,b) 強非線形時空間階層不均質断層モデルの研究開発,c)a)b)の融合を可能とする解析システムの研究開発を行っている.2023年度は,a) では本課題のコアプログラムとなる低次非構造有限要素に基づく有限要素解析において課題となる解析コストを軽減する手法の検討を実施した.具体的には,低次非構造有限要素に基づく有限要素解析はランダムメモリアクセス卓越型となるため,昨今の計算機との相性が悪く,計算機の性能を引き出すことが従来難しいとされているが,これを解決すべく,データサイエンス的なアプローチを導入することでシミュレーション結果を分析し,その特徴を活かすことで昨今の計算機との相性の良い演算に変換することで,解析を効率化できる新たなヘテロなデータ・コンピューティング手法の研究開発を実施した.また,南海トラフ領域を模擬した大規模モデルを構築し,本開発手法を用いた地殻の解析を実施することで,c)の基礎検討を行った.b)の対象である震源の時刻歴発展過程は,強非線形性・時空間での階層的な高不均質性を持つため,これらを表現可能とする断層モデルを開発する必要がある. 今年度は,多様なすべり速度依存性や応力変化に対する応答敏感性が,シンプルな断層モデルで結果として生じることを数値実験で検証した結果,応力変化に対する応答である余効すべりで観測されている日単位以上の長い時間スケールの応答が生じるためには,すべり速度に依存した抵抗が必要になることが示された.また,粘弾性応答の導入に向けた準備検討として,南海トラフ地震によるプレート内断層での粘弾性応答評価を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初想定よりもやや先行して成果が出ているものもあるが,おおむね当初の想定通りに順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
順調に進展してきているため,このまま当初計画通り実施する.
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