2023 Fiscal Year Annual Research Report
Medical imaging by optical-electrical hybrid transparent semiconductor
Project/Area Number |
23H00278
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
島添 健次 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (70589340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 彩希 宮崎大学, 工学部, 准教授 (40736667)
人見 啓太朗 東北大学, 工学研究科, 准教授 (60382660)
上ノ町 水紀 京都大学, 宇宙総合学研究ユニット, 特定助教 (70913458)
豊川 秀訓 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 放射光利用研究基盤センター, 特別嘱託研究職員 (60344397)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 臭化タリウム / コンプトンカメラ / ピクセル検出器 / ガンマ線 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は「光/電気ハイブリッド透明半導体ピクセルセンサ開発によるコンプトンTOF-PET多分子撮像と医用イメージング革新」である。従来型PETでは実現不可能であった医用多分子同時撮像を新開発するハイブリッド透明半導体(臭化タリウム)コンプトンTOF-PETカメラにより実現する。ハイブリッド透明半導体からのチェレンコフ光読出と電荷読出を同時に行う低ノイズピクセルASIC (Application Specific Integrated Circuit)及び信号処理システムを構築することで、エネルギー分解能、時間分解能 、位置分解能の全てに優れた検出器を開発する。これによりTOF性能を持ったPETと高い角度分解能を有するコンプトンカメラを融合した理想的なTOF型コンプトンPET装置を実現する。本年度は臭化タリウムに最適化した低ノイズピクセルASICの開発を実施した。200μmの16×16ピクセル臭化タリウム検出器を想定し、信号入射時のトリガーを出力する、プリアンプ、セルフトリガーのコンパレーター、ロジック回路を搭載したCMOS ASIC (TSMC 250nmプロセス)の設計試作を実施した。また単ピクセルを用いて、光と電気の同時読出の試験を実施することでドリフト時間の推定と1%台@662keVの良好なエネルギー分解能の取得に成功した。また標準的な方法としてバンプボンディングを用いた接合を想定しているが、蒸着による方式の検討も行い、低リーク、高抵抗な臭化タリウム膜の作成方法を確立し、イメージセンサと組み合わせることで高解像なX線イメージセンサの開発にも成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は臭化タリウムに最適化した低ノイズピクセルASICの開発を実施した。200μmの16×16ピクセル臭化タリウム検出器を想定し、信号入射時のトリガーを出力する、プリアンプ、セルフトリガーのコンパレーター、ロジック回路を搭載したCMOS ASIC (TSMC 250nmプロセス)の設計試作を実施した。また単ピクセルを用いて、光と電気の同時読出の試験を実施することでドリフト時間の推定と1%台@662keVの良好なエネルギー分解能の取得に成功した。また標準的な方法としてバンプボンディングを用いた接合を想定しているが、蒸着による方式の検討も行い、低リーク、高抵抗な臭化タリウム膜の作成方法を確立し、イメージセンサと組み合わせることで高解像なX線イメージセンサの開発にも成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は設計開発した臭化タリウム読出専用ASICとピクセル型の臭化タリウムをバンプを用いて接合を試行する。接合においては金やインジウム等の素材を検討する。接合した臭化タリウムピクセル検出器の信号処理システムを開発し、スペクトロメーターとしての性能を確認、評価を実施する。これにより今回開発したASICの問題点を洗い出し、次年度のASICの改良に向けた指針を得ることとする。また薄膜型のX線検出器については引き続いて評価をすすめ、高感度なX線イメージセンサとしての応用を開拓する。加えてチェレンコフ光と電荷信号を複数ピクセルで同時に読出可能な系を確立することで、チェレンコフ光の発生と電荷信号の物理的、空間的な相関を明らかにする基礎実験を実施する。
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