2023 Fiscal Year Annual Research Report
Integrated analysis of genetic diversity of all conifers in Japan
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23H00337
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
陶山 佳久 東北大学, 農学研究科, 教授 (60282315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 系子 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (00343814)
津村 義彦 筑波大学, 生命環境系, 教授 (20353774)
Worth James 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (30770771)
内山 憲太郎 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (40501937)
青木 裕一 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 講師 (40747599)
戸丸 信弘 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (50241774)
岩泉 正和 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所 林木育種センター, 主任研究員 等 (50391701)
高橋 大樹 東北大学, 農学研究科, 特任研究員(日本学術振興会特別研究員PD) (50913216)
逢沢 峰昭 宇都宮大学, 農学部, 准教授 (70436294)
玉城 聡 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所 林木育種センター, 主任研究員 等 (80370857)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | MIG-seq分析 / ゲノムワイドSNP分析 / 集団遺伝 / 分子系統地理 / 森林遺伝資源保全 / 分子系統解析 / 遺伝的多様性 / 遺伝的地域性 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本産針葉樹の遺伝的多様性の全体像を明らかにし、その情報を森林遺伝資源の有効活用と保全に活かすとともに、他生物を含めた日本と世界の生物地理の理解へと発展させるための研究を進めた。具体的には、我が国における主要林業樹種および主要植生構成種である日本産針葉樹を対象として、これまでに個々の研究者が収集して従来技術により分析してきたDNAサンプルを集約し、それらの分布地等の基礎情報をとりまとめる作業を進めた。また、これまでの未着手種・地域分を新規・追加採取した。その結果、新規に収集したサンプルを含め、合計約13000個体のDNAサンプルもしくはDNA抽出用の組織サンプルを集約した。さらに、それらのうち一部については、次世代DNA分析技術により高精度・高解像度な遺伝的多様性情報を取得して、それらの個別解析を実施した。特にビャクシン属の複数種(シマムロ、オキナワハイネズ、ハイネズ、ネズミサシ、ミヤマネズ群)については、それらの基礎解析をほぼ終了した。一方、モミ属の3種については旧来の分析手法ではあるものの、それらの分子系統地理学的な解析を行い、原著論文として発表した(Uchiyama et al. 2023)。そのほかデータベースについては、その前段階のDNA情報解析ツールのパッケージ化をほぼ完成させたほか、データベースの基本的デザインについて調整を進めた。さらに、地域集団の情報を全種で重ね合わせ、日本列島における日本産針葉樹の遺伝的多様性・分化の分布パターンを視覚化して統合解析する方法については、その主要データの算出手法について検討を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始当初に把握していた個々の研究者が保有するDNAサンプル約19000個体分のうち、およそ6割のサンプルを集約することができた。残り4割についても、ほぼその所在を確認することができ、今後の集約の目処がたっている。また、これまでの未着手種・地域分として、ビャクシン属とマキ科の樹種を中心として採取を進め、種によってはその採取をほぼ完了することができた。個別解析についてもビャクシン属の複数種を中心として進めることができ、ほぼ解析を完了した。そのほか、旧来の技術を用いたデータ解析をまとめ、原著論文として発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
日本産針葉樹を対象として、これまでの未着手種・地域分の新規・追加採取をさらに進める。サンプル収集を終えた樹種についてはMIG-seq法を用いてゲノムワイドなSNP情報を取得し、日本産針葉樹各種の遺伝的多様性と分布変遷として以下の個別解析を実施する。 ①種内および地域集団の遺伝的多様性・近交度の評価・比較、②種内地域集団・個体間の系統解析・遺伝的集団構造解析、③集団動態推定、④生態ニッチモデリングによる分布変遷推定 また、個別解析で実施した各種の遺伝的多様性情報をとりまとめ、種・雑種・地域等の特定が可能な次世代DNAバーコーディングシステムの構築をすすめる。さらに、これらの遺伝的多様性情報に関するデータベース構築を進める。
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Research Products
(3 results)