2023 Fiscal Year Annual Research Report
Study of the Mechanism of Ovarian Maturation Focusing on Gradual Cellular Composition Changes in the Strom
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23H00361
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
島田 昌之 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 教授 (20314742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅原 崇 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 助教 (60826858)
杉野 利久 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 教授 (90363035)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 卵巣 / 慢性炎症 / ミトコンドリア / 性ステロイドホルモン |
Outline of Annual Research Achievements |
生殖器官および副生殖器官の臓器機能の完成機構を解明するため,生殖細胞や副生殖器官における分泌細胞,それらを支持する間質組織に着眼して研究を実施している。具体的には,二次性成長期から機能喪失期までの卵巣間質を構成する細胞の動態変化について,顆粒膜細胞由来細胞をGFPでマーキングしたsingle cell RNAシークエンスにより解析した。その結果,卵巣機能が未成熟である3週齢から卵巣機能が成熟する8週齢にかけて,間質を構成する細胞が多様化していくことが明確化された。さらに,この多様な細胞の一部は卵胞内にある顆粒膜細胞に由来することも明らかとなった。この多様な細胞群は,卵巣機能が消失する加齢マウス卵巣で,さらに構成が変化していくことも示された。この多様化の一要因は,代謝機能低下による老化細胞様細胞への変化,それに引き続き起こる線維化であった。老化細胞様細胞を代謝改善薬で処理すると細胞内に蓄積した脂肪顆粒が減少したことから,卵巣機能消失においては,代謝低下が間質構成の変化を引き起こす可能性が示された。今後,これらの分化誘導機構や細胞の誘引メカニズムの解明を行っていく計画である。 一方,雄の副生殖器官である精嚢腺において,テストステロン依存的に代謝がシフトし,グルコースを同化して脂肪酸を合成し,精液成分として分泌する機構をトランスクリプトーム解析とメタボローム解析により明らかとした。このような性ステロイドホルモンによる代謝シフトは,上述の細胞分化ともリンクする可能性があり,今後,その詳細を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
卵巣構造の経時的変化の解析が終了し,その多様化の仕組みを解明するためのヒントとして「代謝機構の変化」に着目するエビデンスを得ることができた。この1年目の成果を踏まえて,2年目以降,卵巣が臓器完成する仕組みと,その完成と機能消失を検出するマーカーの開発を行っていく計画である。
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Strategy for Future Research Activity |
上述の通り,卵巣間質を構成する細胞の分化誘導機構について,RNAシークエンスのデータをバイオインフォマティクス解析により誘導因子の推定を行い,その立証を間質細胞の体外培養により実施する。この体外培養のデータから,体内で分化抑制あるいは分化誘導を行う薬剤投与試験やノックダウン試験を実施する。卵巣機能が発揮される条件特異的に間質細胞が分泌する因子は,RNAシークエンスのデータから候補化し,血中濃度測定系を立ち上げ,その経時的変化を解析する。
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