2023 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of multi-layered omics analysis for mitochondrial disease patients
Project/Area Number |
23H00424
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
岡崎 康司 順天堂大学, 大学院医学研究科, 教授 (80280733)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大竹 明 埼玉医科大学, 医学部, 特任教授 (00203810)
奥田 修二郎 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00512310)
木下 善仁 近畿大学, 理工学部, 講師 (20634398)
村山 圭 順天堂大学, 大学院医学研究科, 教授 (50316741)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | ミトコンドリア病 / 心筋症 / シングルセル解析 / オミックス解析 / ゲノム解析 / ミトコンドリアDNA / ヘテロプラスミー率 |
Outline of Annual Research Achievements |
60%の小児ミトコンドリア病未診断症例に対して、マルチオミックス多層統合解析を実施した。具体的には、ミトコンドリア病の全国からの患者収集および生化学診断を行い、既知遺伝子のスクリーニング後も原因が特定できなかった症例の中で、線維芽細胞が利用可能であり、ミトコンドリア機能異常(ミトコンドリア呼吸鎖複合体の活性異常および酸素消費量の低下)を示す症例を選択した。選択した症例に対して、全ゲノム解析・RNAシーケンシングを施行した。全ゲノム解析にてバリアント情報を取得し、既知・未知バリアントの選り分けを行い、既知疾患バリアントがない場合は、RNAシーケンス解析により、mRNA発現異常を示す遺伝子を同定した。また、ゲノムデータとRNAシーケンスデータのバリアント比較から片アリル発現を示すRNAを特定し、異常な挙動を示す遺伝子を同定した。遺伝子発現制御領域バリアントの同定、さらにその結果を罹患臓器に対するメタボローム解析データ結果とも組み合わせて、またmtDNA変異を有する症例においては、mtscATAC-seq法により細胞種のプロファイルを解析し、1細胞レベルでの罹患臓器細胞のヘテロプラスミー率不均一性の定量化を行い1細胞レベルでのmtDNA不均一性の評価を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以下の3つに対して順調に計画を進めることができ、次年度の計画につなげることができている。(1)ゲノム解析後の症例から解析対象を選別:ミトコンドリア病の全国からの患者収集および生化学診断を行い解析検体を予定通り順調に増やすことができた。既知遺伝子のスクリーニング後も原因が特定できなかった症例に対しては、線維芽細胞の採取および、ミトコンドリア呼吸鎖複合体もしくは酸素消費量の測定も順調に行うことができた。(2)全ゲノム解析・RNAシーケンシング:上記で選択した症例において、全ゲノム解析およびRNAシーケンシングを、どちらか一方で原因遺伝子が確定した場合を除いた検体で施行することができた。(3)繊維芽細胞におけるシングルセルでのヘテロプラスミー率の不均一性の定量化:mtscATAC-seq法は、既存のscATAC-seq法のプロトコールをカスタマイズする必要があったが、条件検討を重ねた結果、最適なmtscATAC-seqの条件を決めることができた。最適な実験条件下のもとで、細胞種のプロファイルを解析し、1細胞レベルでの罹患臓器細胞のヘテロプラスミー率不均一性の定量化を行った。さらに、バイオインフォマティクスのパイプラインもmtscATAC-seq用に新規に構築する必要があり、独自で構築したパイプラインを用いて解析結果を得ることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き、ミトコンドリア病の全国からの患者収集および生化学診断を継続し、解析検体を増やしていく。RNAシーケンシングとプロテオーム解析は線維芽細胞を用いて行うため、線維芽細胞においてもミトコンドリア異常を示している症例では遺伝子発現が異常を来たしている可能性が高く、原因が特定できる可能性が高くなるため、繊維芽細胞の収集も継続して行う。上記で選択した症例において、全ゲノム解析およびRNAシーケンシングを、どちらか一方で原因遺伝子が確定した場合を除き、全ての検体で実施する。また、必要を認めた検体に対してプロテオーム解析、メタボローム解析を実施する。プロテオーム解析のエントリー基準は、候補バリアントを持つ遺伝子がtRNAやrRNAなど、遺伝子の翻訳に関与するものなどとする。メタボローム解析については、患者が心筋症を呈しており、候補バリアントを持つ遺伝子が代謝系酵素である症例、臨床診断から代謝経路阻害が疑われる症例とする。 プロテオーム解析からは、クラスターとして発現の低下している遺伝子群を抽出する。新たに導入するメタボローム解析では、障害されている代謝経路のプロファイルを取得する。 前年度の繊維芽細胞を用いたmtscATAC-seqの技術を発展させ、罹患臓器におけるシングルセルでのヘテロプラスミー率の不均一性の定量化を行う。mtscATAC-seq法により細胞種のプロファイルを解析し、1細胞レベルでの罹患臓器細胞のヘテロプラスミー率不均一性の定量化を行う。
|
-
-
-
[Journal Article] Antibody Deficiency in Patients with Biallelic KARS1 Mutations2023
Author(s)
Saettini F, Guerra F, Fazio G, Bugarin C, McMillan HJ, Ohtake A, Ardissone A, Itoh M, Giglio S, Cappuccio G, Romano R, Quadri M, Gasperini S, Moratto D, Chiarini M, Akira I, Fukuhara Y, Hayakawa I, Okazaki Y, Mauri M, Piazza R, Cazzaniga G, Biondi A
-
Journal Title
Journal of Clinical Immunology
Volume: 43
Pages: 2115~2125
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
-
-
-
-
-
-
-
-