2023 Fiscal Year Annual Research Report
物理層のデータ改ざんに対抗する環境電磁工学的アプローチによる対策基盤の開拓
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23H00472
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
林 優一 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (60551918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 大介 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (60732336)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | 電磁情報セキュリティ / 意図的電磁妨害 / 真正性保証 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、(1)ICへの意図的な電磁妨害を評価するための環境構築を進めると共に、(2)IC内部で情報改ざんを引き起こす妨害周波数を決定するパラメタ及び印加タイミングの抽出について取り組んだ。(1)については、機器の改ざんを検出するための指標となる電気変動を時間領域及び周波数領域における高い空間分解能・低ノイズで高精度にモニタリング可能な環境を構築すると共に、実機に応用可能な非侵襲でこうしたパラメタを計測可能な環境への拡張を行った。(2)については、伝送線路とICを対象とし、それらが設置される周囲の電磁環境を変化させながら、情報改ざんを引き起こす妨害周波数を決定するパラメタ及び印加タイミングの抽出を行った。また、注入効率の高い周波数を用いて、伝導及び放射の双方による妨害波印加を行い、情報改ざんが発生するパラメタ及び印加タイミングの抽出も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、(1)ICへの意図的な電磁妨害を評価するための環境構築と(2)IC内部で情報改ざんを引き起こす妨害周波数を決定するパラメタ及び印加タイミングの抽出について取り組んでおり、当初の計画を達成している。また、次年度から着手予定であった妨害を受けやすい物理構造に関する検討も前倒しで進めており、基礎的な成果は当該分野における主要な国際会議において採択が決定している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はこれまでに開発した評価環境を用いて妨害を受けやすい配線パターンや配置の特定及び妨害波が伝送信号に与える影響評価を行うと共に、シミュレーションを用いた汎用的な機器設計時における電磁妨害耐性評価手法の検討・開発を進める。
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