2023 Fiscal Year Annual Research Report
Deepning and Extension of Bayesian measurement
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23H00486
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡田 真人 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (90233345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水牧 仁一朗 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 教授 (60360830)
片上 舜 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教 (90972084)
菅生 康子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究グループ長 (40357257)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | ベイズ推論 / 計測科学 / 放射光科学 / データ駆動科学 / 放射光施設 / SPring-8 |
Outline of Annual Research Achievements |
【課題1】モンテカルロ法の高速アルゴリズムの深化: モンテカルロ法の高速アルゴリズムについては、当初の計画通りに研究が進まなかった。そのため、【課題1】をベイズ計測のためのモンテカルロ法の新規アルゴリズムの提案とした。、【課題1-1】では、ベイズ計測で用いられる系の物理モデルを用いたアクティブラーニングの枠組みを提案した。従来はガウス過程回帰と呼ばれる方法でアクティブラーニングする手法が提案されていたが、従来手法をスペクトル分解などのベイズ計測の標準的計測手法に適用すると、誤ってスペクトルを再構成することがわかった。一方、我々の提案手法では、問題なくスペクトルを再構成することができた。【課題1-2】では、モンテカルロ法で事前に設定する必要のあるハイパーパラメータの自動調整アルゴリズムを提案した。この提案手法は、従来手法で熟練者がハイパーパラメータをハンドチューンした際の計算時間と同じ計算時間で、ハイパーパラメータの自動調整できることがわかった。 【課題2】ベイズ統合と計測限界の理論の深化: 直線回帰y=ax+bのベイズ計測に関して、事後パラメータ推定、ベイズ的モデル選択、ベイズ統合の解析的理論の導出に成功した。その理論は、学習サンプル数Nが有限の場合も理論的に取り扱うとことができる。通常のベイズ推論の理論はNが無限大の漸近極限のみしか議論できず、Nが有限の現実的な状況を説明することはできなかった。統計学や統計力学の理論の殆どはN無限大の理論であり、我々の提案した理論は、これまで人類が到達できなかった領域に理論のメスを入れることができ、統計学統計力学の歴史を塗り替えるものである。 【課題3】SPring-8全ビームライン(BL)へのベイズ計測の展開: メスバウアー分光や小角散乱なのでの典型的な計測の問題をベイズ計測で取り扱った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
【課題1】モンテカルロ法の高速アルゴリズムの深化: ランジュバンダイナミクスを用いたモンテカルロ法の高速アルゴリズムの開発は、当初の目論見が外れて、従来のモンテカルロ法の計算時間と殆ど買わない結果となった。そこで【課題1】の計画を【課題1-1】と【課題1-2】に発展的に変えた。【課題1-1】では、ベイズ計測で用いられる系の物理モデルを用いたアクティブラーニングの枠組みを提案した。【課題1-2】では、モンテカルロ法で事前に設定する必要のあるハイパーパラメータの自動調整アルゴリズムを提案した。 【課題2】ベイズ統合と計測限界の理論の深化: ベイズ統合と計測限界の理論の深化: 直線回帰y=ax+bのベイズ計測に関して、事後パラメータ推定、ベイズ的モデル選択、ベイズ統合の解析的理論の導出に成功した。その理論は、学習サンプル数Nが有限の場合も理論的に取り扱うとことができる。計測限界に関しては、Tokudaらの計測限界の理論を学習サンプルサイズNが有限の場合に拡張するのは理論的に困難であることがわかった。そのため方針を変更し、物理モデルのパラメータの事後確立分布の形の定性的変化を追うことで、計測限界を求める手法をとることにした。 【課題3】SPring-8全ビームライン(BL)へのベイズ計測の展開: ベイズ計測の普及のために、SPring-8を選んだか、その歯急行はすぐに得られた。あいちSRでもベイズ計測に大変興味を持っていただき、2023年10月30日にあいちSRでベイズ計測普及のためのシンポジウムを開催した。この効果は絶大であり、あいちSRから愛知県の研究費の申請をすることになった。
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Strategy for Future Research Activity |
【課題1】モンテカルロ法の高速アルゴリズムの深化: 。【課題1-1】では、我々が提案したアクティブラーニングのアルゴリズムをX線光電子放出スペクトル(XPS)に適用する。担当者の博士課程の学生が、XPSの装置を用いてXPSを自ら計測し、彼が提案したアクティブラーニングのアルゴリズムが所望の結果が出るかを事象的に検証する。【課題1-2】では、ハイパーパラメータの自動調整アルゴリズムの論文を完成させるとともに、それをSPring-8を中心に公開することを計画している。 【課題2】ベイズ統合と計測限界の理論の深化: 【課題3】で展開するSPring-8で行われる種々多様な計測手法全てに対して、我々が提案する計測限界の手法を適用する。また、個々の計測方法に関しては、すべての計測点から満遍なくデータを得ることが難しい場合が存在する。ベイズ計測でそのような状況を計算機上で再現し、計測結果がどの程度、データ欠損等に対して頑健かを理論的に議論する。その理論的知見を、実際の実験計画に活かして、効率の良い計測を目指す。 【課題3】SPring-8全ビームライン(BL)へのベイズ計測の展開: SPring-8を中心にベイズ計測を普及しながら、我が国の他の放射光施設やJ-PARCなどの中性子施設などの量子ビーム計測施設にベイズ計測を広く展開する。具体的には、佐賀県立シンクロトロン光センター、あいちSR、広島大学放射光科学研究所、SRセンター 立命館大学 総合科学技術研究機構、高エネルギー加速器研究機構、j-PARCなどに展開する予定である。各量子ビーム計測施設はベイズ計測に高い興味を示しているので、SPring-8での広報活動を例にして、ベイズ計測のチュートリアルシンポジウムやベイズ計測の講習会を企画する。
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[Journal Article] Unique Band Structure of Pressure Induced Semiconducting State in SmS Characterized by 33S-Nuclear Magnetic Resonance Measurements2024
Author(s)
Yoshida Shogo, Ueda Hajime, Mutou Tetsuya, Katakami Shun, Okada Masato, Yokoyama Yuichi, Mizumaki Masaichiro, Hiraoka Naoka, Kitagawa Kentaro, Haga Yoshinori, Fujii Takuto, Nakai Yusuke, Mito Takeshi
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Journal Title
Journal of the Physical Society of Japan
Volume: 93
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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