2023 Fiscal Year Annual Research Report
Atmospheric molecular-level heterogeneous chemistry
Project/Area Number |
23H00525
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
江波 進一 筑波大学, 数理物質系, 教授 (00589385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
持田 陸宏 名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 教授 (10333642)
森野 悠 国立研究開発法人国立環境研究所, 地域環境保全領域, 室長 (50462495)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | エアロゾル / 液相 / 界面 / ラジカル / 不均一反応 / マルチフェーズ反応 / 環境 / 気候変動 |
Outline of Annual Research Achievements |
大気中に浮遊するエアロゾルは、地球の気候変動と大気汚染問題の鍵となる大気の重要な構成要素である。エアロゾルの気液界面に存在する化学種は気体の酸化剤と不均一反応を起こし、その生成物の一部は液中でさらに反応していく。この多相にまたがる一連の酸化過程は「エイジング」と呼ばれ、それに伴ってエアロゾルの放射強制力(気候に対して与える放射の大きさ)と毒性が変化していく。しかし、実際の大気に存在するエアロゾルは水と有機物が分子レベル(オングストローム Å = 10^-10 mレベル)で偏在した不均質な媒体であるという事実はこれまで考慮されてこなかった。 本提案研究では、研究代表者が独自に開発した気液界面・液中反応測定手法を用いて、実大気に存在するエアロゾルを模した分子レベルで不均質な気液界面および液中で起こる大気化学反応のメカニズムを解明する。本年度は、気液界面・液中反応測定装置を筑波大学に移動し、立ち上げと確認作業を行った。また、液中に存在するドメインを検出するための動的光散乱法装置の立ち上げ作業を行った。標準粒子を用いて、水溶液中の粒子のサイズ100-200nmを測定可能であることを確認した。また、質量分析法を用いて、液相反応(グルタチオン+過酸化水素、サピエン酸+OHラジカル、ジメチルスルホキシド+OHラジカル)の予備実験を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
国立環境研究所から筑波大学への装置の移動と立ち上げ、確認作業を行ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
動的光散乱法と質量分析法を組み合わせて、液中のドメインの存在によって液相で起こる化学反応がどのような影響を受けるのかを調べる。まずはα-ピネンなどのテルペン類を水とアセトニトリル混合溶液に溶解させ、オゾン反応を調べる。水とアセトニトリルの混合比を変化させ、液中のドメインのサイズ変化を追跡する。また、α-ピネンとオゾンの反応で生成するヒドロペルオキシドの分解速度定数が混合比によってどのように変化するか調べる。博士研究員の雇用によって、これらの研究を加速させる。また、分担者と研究打ち合わせを行い、研究を推進する。
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