2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23H05035
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
山下 清次 秋田大学, 教育文化学部, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 立体地図模型 / 3Dプリンタ |
Outline of Annual Research Achievements |
日本では近年,多くの自然災害が発生しており,防災教育の重要性が増している.児童・生徒に対し,身近な地域の自然災害について考える防災教育の授業を行う際,地形の特徴を紙の地形図や教科書で理解することは難しい.そのため,地形を俯瞰的に見て立体的にイメージできる教材が必要となる. この課題を解決するために,実際の地形を手で触れたり視覚的に理解したりできる立体地図模型(以下,模型)を3Dプリンタで作製した.この模型を使用することで,地域の特徴(地形の起伏等)を立体的に観察ができ,より深い理解が可能になると考えられる.模型を使用することで,児童・生徒が身近な地域での災害発生時にどのように行動すれば身を守ることができるかを考えることができ防災意識の向上も期待できる. 申請者が居住する秋田県には,過去に大きな被害をもたらした活火山である「秋田駒ヶ岳」や「鳥海山」があり,火山防災マップも作成されている.本研究では,秋田駒ヶ岳の立体地図模型を作製した. 作製した模型を用いて火山防災教育の授業実践を行った.授業内容は,駒ヶ岳で火山泥流が発生したと仮定し,火山泥流の流れ方,被害地域,被害内容について予想を立てた後,模型を使用して実験を行い予想と実験結果の相違について考察した.実験結果から,自身の予想と異なる結果に児童・生徒は驚いている様子であった.模型を用いることで火山泥流発生時に泥流の流れ方,流れる方向,泥流による被害地域について,詳細に観察することができた.このことから,災害発生時における適切な対応や避難行動について学ぶことができ,身近な地域の自然災害に対する防災意識を高めることができたと考えられる.
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