2023 Fiscal Year Annual Research Report
算数科の協働学習場面における共同編集機能を活用した教授方略の開発
Project/Area Number |
23H05046
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
古本 温久 関西大学, 初等部, 専任教諭
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 共同編集 / 協働学習 / 算数レポート |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,小学校算数科において共同編集を取り入れた協働学習の効果を検証することである. 本研究においては,3人程度のグループで,学習支援アプリロイロノートの共有ノートを用いて,共同編集を取り入れた協働学習に取り組ませた.本研究では,その活動を算数レポートと称した.算数レポートは,教師が与えた問題の解き方を友だちと一緒に考えるとともに,その解き方を共同編集で共有ノートにまとめるという協働学習である. 算数レポートに取り組んだ児童に事前事後で質問紙調査を実施し,共同編集に対する意識の変化を調査する.質問氏は,国立教育政策研究所が実施する全国学力・学習状況調査において実施される児童質問紙(2020)の項目をもとに,10項目(各4段階評定)を作成した. その結果,「主体性」,「対話性」の2因子が抽出された.さらに,事前事後のそれぞれの因子得点ついてt検定を実施した結果,「対話性」の因子得点が有意に高まっていた. また,算数レポート対する47人分の自由記述の質的データをテキストマインニングツールである「見える化エンジン」を用いて分析した.その結果,構成要素は1052語であった.最も出現頻度の高かったものは,「良い」であり,33回出現していた.2項の係り受けの件数は655件であった.最も出現頻度の高かったものは「意見―聞く」の9件であった.具体的には「私は,算数レポートをして良かったと思います.算数レポートをして理解できる事が多くなったと思います.なぜかというと,グループ内の人の意見はもちろん聞くことができるし,さらに他のグループの人の意見まで聞くことができるからです」などの学習感想が見られた. 共同編集を取り入れた協働学習は,児童の対話を促進する効果があることが示唆された.
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