2023 Fiscal Year Annual Research Report
郷土の言語文化の「保存・継承」を動機づける教材開発と実践―滋賀県域の方言を題材に
Project/Area Number |
23H05070
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
永田 郁子 滋賀大学, 教育学部附属中学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 方言 / ESD / 地域教材 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は中学校国語科における方言学習に特化した滋賀県の地域教材の作成を目的とし、作成した教材を使用した授業実践とその評価をも含むものであるが、その実践については、おおよそ2種類に分かれる。一つは、滋賀県の方言分布とその特異性について紹介するスライド教材を使った中学校第1学年を対象とした「方言と共通語」の実践であり、もう一つは滋賀県の方言語彙集を用いて方言の語感を活かした実用的文章を書くという中学校第3学年を対象とした実践である。 スライド教材の作成にあたっては、研究者の監修のもと、試作のものを用いた本校での実践を経て、学習指導要領(平成29年告示)の第1学年〔知識及び技能〕(3)ウ「共通語と方言の果たす役割について理解すること。」の指導を目的としながらも滋賀県の地理的・歴史的背景とともに方言区分に解説するものや、滋賀県高島市内の方言調査をもとに方言の「保存・継承」について問題提起するものなど合計5編のスライドを作成した。この5編のスライドについては編集可能の状態で、県内の各中学校等に配布する予定である。5編のスライドについては、県内のある公立中学校にて国語科教員へのヒアリング・編集したスライドによる第1学年対象の授業実施をおこない、内容について検討した。また、県内の小学校教員(高学年担当)にもヒアリングを実施し、小学校での方言と共通語の指導の活用にも広げられるよう改善した。 方言の語感を活かした実用的文章を書く実践は、滋賀県の条例の内容を啓発するリーフレットのキャッチコピーに滋賀県の方言を使用するというものである。この実践については、本校の校内研究会公開(令和5年11月27日実施)にて外部に公開し、授業の展開や生徒成果物について、研究者の指導や助言を得ることができた。
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