2023 Fiscal Year Final Research Report
郷土の言語文化の「保存・継承」を動機づける教材開発と実践―滋賀県域の方言を題材に
Project/Area Number |
23H05070
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
1180:Education on school subjects, primary/secondary education-related
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
NAGATA IKUKO 滋賀大学, 教育学部附属中学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 方言 / ESD / 地域教材 |
Outline of Final Research Achievements |
多数の方言区分に分かれる滋賀県の豊かな方言について,その地理的・歴史的背景を含めた特色を紹介する中学校の国語科の教材を作成し,それを用いた授業実践をおこなった。教材の作成については、滋賀県高島市の方言調査のほか,研究代表者の勤務校ならびに滋賀県内の公立中学校での授業実践(ともに第1学年対象),小学校教員へのヒアリングなどを実施し,小中学校の双方に活用できるものを目指した(教材は県内中学校に配布予定)。 また文献より評価語彙の滋賀県方言を集めた語彙集を作成し,滋賀県の方言の語感を活かしたキャッチコピーを用いた条例を啓発するリーフレットを作成するという授業実践(第3学年対象)を外部に公開をした。
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Free Research Field |
教科教育学
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Academic Significance and Societal Importance of the Research Achievements |
郷土の方言の「保存・継承」について学ぶことは,国語科においてESD(持続可能な開発のための教育」としての特色を強く打ち出せると考える。 中学校国語科において方言の指導は第1学年の「我が国の言語文化に関する事項」に位置づけられている。しかし,沖縄県教育委員会『しまくとぅば』を例とするような方言に特化した地域教材が滋賀県では作成されていなかった。人口減少が危惧される滋賀県北部では方言が危機的状況にあり,南部では他の都道府県からの人口流入が著しく「新方言」の問題が顕在化している。このような県内の状況をふまえ,小学校での活用をも念頭におき,系統的に学習することが可能な教材を作成した。
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