2023 Fiscal Year Annual Research Report
放射線治療におけるポリマーゲル線量計を用いた第三者評価を目指した評価方法の検討
Project/Area Number |
23H05213
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
熊原 成美 金沢大学, 附属病院, 診療放射線技師
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ゲル線量計 / 第三者評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
〇目的:現在,医療用直線加速器の出力管理は各施設で実施されているが,評価項目や評価基準は各施設で設定されているためその精度にばらつきがある.そのため,近年では自施設の線量管理に加えて第三者的検証の重要性が高まっている.また,現在第三者評価に使用されている線量計やフィルムは,1次元もしくは2次元での検証であり,3次元での検証はできない.そこで3次元的に評価可能なゲル線量計を用いた3次元的な線量分布の第三者評価の方法を確立することを目的とした.本研究はこの第一段階として,ゲル線量計作製の再現性や,線量の読み出しのためのMRI撮像におけるDose-R2特性曲線への影響を検討した. 〇方法:ゲル線量計としてimproved polyacrylamide gelatin and THPC(iPAGAT)を作製した.作製したiPAGATはバイアルに封入後,恒温庫(20℃)で保存した.作製1日後に水等価ファントム内5cm深にバイアルを配置し,10MVのX線を0~10Gy照射した.照射1日後に1.5TのMRI装置を用いて撮像し,Dose-R2値特性曲線を取得した.撮像条件検討のため撮像時のTRは3000,6000,9000,12000msとした.また,再現性を確認するためにこれらの手順を繰り返し,作製再現性の変動係数を求めた. 〇研究成果:各TRのDose-R2値特性曲線の平均値からの最大偏差は0.06s-1であり,TRの違いによる差はないと判断した.ゲル線量計は温度変化によって不確かさを生じる可能性があるため,長時間の撮像は好ましくない.よってTRは最も撮影時間の短い3000msが適切であると判断した.また,TRが3000msの作製再現性の変動係数は最小で2.8%,最大で14.4%であり,ばらつきが大きいことから作製毎にDose-R2値特性曲線を作製する必要があることが明らかとなった.
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