2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23H05257
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
近藤 正輝 徳島大学, 病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 大動脈解離 / 糖尿病薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
大動脈解離は動脈硬化や高血圧、加齢を背景に引き起こされ、高い確率で死に至る臨床上重要な疾患である。心血管疾患予後における主要な危険因子である糖尿病は、大動脈疾患について疫学・観察研究で負の相関が確認されており、その理由の一つとして糖尿病薬が関与しているとの報告がある。そこで、研究代表者は、アメリカ食品医薬品局に集積された有害事象自発報告データベース (FAERS) 解析から大動脈解離を抑制し得る既存承認薬を探索した結果、スタチン群と糖尿病薬である DPP-4 阻害薬を見出した。すでに研究代表者は先行研究において、ピタバスタチンが内皮機能の保護作用を介して大動脈解離発症を予防することを明らかにしている(J.Hypertens.2019;37(1):73-83.) 。このことから、DPP-4 阻害薬も大動脈解離発症予防に有効である可能性が示唆された。本研究では、DPP-4阻害薬であるシタグリプチンの大動脈解離発症予防効果に対する作用機序について検討した。培養ヒト臍帯静脈内皮細胞を用いた検討から、炎症性サイトカインであるTNFαの添加によりマクロファージの血管壁への接着および浸潤に関与するVCAM-1の発現が上昇し、その発現上昇はシタグリプチンの前投与により抑制する傾向を示した。このことから、DPP-4阻害薬であるシタグリプチンにはマクロファージの血管壁への接着および浸潤を抑制することで抗炎症効果を示す可能性が示唆された。また、別のFAERS解析から大動脈解離を抑制し得る既存承認薬として糖尿病薬であるSGLT-2阻害薬のエンパグリフロジンについても見出した。そこで、DPP-4阻害薬と同様にSGLT-2阻害薬であるエンパグリフロジンについても解離発症予防効果及びその作用機序に対して検討を進める計画である。
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Research Products
(10 results)
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[Presentation] Fluoroquinolones attribute aortic diseases through endothelial dysfunction.2024
Author(s)
Koji Miyata, Yuki Izawa-Ishizawa, Honoka Nishi, Shuto Itokazu, Tatsumi Miyata, Kaito Tsujinaka, Masateru Kondo, Takahiro Niimura, Fuka Aizawa, Kenta Yagi, Kei Kawada, Mitsuhiro Goda, Keisuke Ishizawa
Organizer
ASCPT 2024 Annual Meeting Colorado Springs
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[Presentation] フルオロキノロン系抗菌薬による大動脈疾患リスクに関する2つの矛盾2024
Author(s)
石澤 有紀, 宮田 晃志, 辻中 海斗, 糸数 柊人, 宮田 辰巳, 近藤 正輝, 新村 貴博, 吉岡 俊彦, 相澤 風花, 八木 健太, 川田 敬, 合田 光寛, 石澤 啓介
Organizer
第144回日本薬理学会近畿部会
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[Presentation] 杜仲葉エキスによる大動脈疾患発症抑制効果の検討2024
Author(s)
糸数 柊人, 石澤 有紀, 宮田 晃志, 宮田 辰巳, 近藤 正輝, 相澤 風花, 新村 貴博, 八木 健太, 川田 敬, 合田 光寛, 石澤 啓介
Organizer
第268回徳島医学会
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[Presentation] Identification of prophylactic drug for vancomycin- associated nephrotoxicity using big data analysis2023
Author(s)
Masayuki Chuma, Mitsuhiro Goda, Yoshito Zamami, Kenshi Takechi, Hirofumi Hamano, Shunsuke Ishida, Takahiro Niimura, Masateru Kondo, Takashi Bando, Yuki Izawa-Ishizawa, Yoshikazu Tasaki, Keisuke Ishizawa
Organizer
19th World Congress of Basic & Clinical Pharmacology (WCP2023)
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[Presentation] ステロイドはバンコマイシン関連腎障害を予防する― ビッグデータ解析・基礎研究・臨床研究の統合による検討 ―2023
Author(s)
中馬 真幸, 合田 光寛, 座間味 義人, 濱野 裕章, 武智 研志, 石田 俊介, 坂東 貴司, 新村 貴博, 近藤 正輝, 石澤 有紀, 田崎 嘉一, 石澤 啓介
Organizer
第97回日本薬理学会年会 第44回日本臨床薬理学会学術総会
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[Presentation] フルオロキノロン系抗菌薬に関連した大動脈瘤解離には内皮障害が関与する2023
Author(s)
宮田 晃志, 石澤 有紀, 西 穂香, 糸数 柊人, 宮田 辰巳, 辻中 海斗, 近藤 正輝, 新村 貴博, 相澤 風花, 八木 健太, 川田 敬, 合田 光寛, 石澤 啓介
Organizer
第97回日本薬理学会年会 第44回日本臨床薬理学会学術総会
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[Presentation] 徳島大学病院における積極的処方提案に向けた薬学生への教育効果の検討2023
Author(s)
高橋 志門, 相澤 風花, 八木 健太, 濱野 裕章, 神田 将哉, 近藤 正輝, 座間味 義人, 新村 貴博, 櫻田 巧, 桐野 靖, 合田 光寛, 石澤 啓介
Organizer
第33回日本医療薬学会年会
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[Presentation] フルオロキノロン系抗菌薬と動脈瘤・解離発症の連関に関する検討2023
Author(s)
西 穂香, 石澤 有紀, 宮田 晃志, 辻中 海斗, 近藤 正輝, 糸数 柊人, 宮田 辰巳, 新村 貴博, 相澤 風花, 八木 健太, 座間味 義人, 合田 光寛, 石澤 啓介
Organizer
第62回日本薬学会・日本薬剤師会・日本病院薬剤師会 中国四国支部学術大会
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[Presentation] 血管新生阻害剤による大動脈解離発症のリスク因子解明2023
Author(s)
西 穂香, 石澤 有紀, 辻中 海斗, 宮田 晃志, 吉岡 俊彦, 近藤 正輝, 糸数 柊人, 宮田 辰巳, 新村 貴博, 相澤 風花, 八木 健太, 座間味 義人, 合田 光寛, 石澤 啓介
Organizer
次世代を担う若手のための創薬・医療薬理シンポジウム2023