2023 Fiscal Year Annual Research Report
sacubitrilatとSLCO1B1遺伝子多型がバルサルタンの薬物動態へ与える影響
Project/Area Number |
23H05282
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
相内 尚也 弘前大学, 医学部附属病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | サクビトリルバルサルタン / ARNi / OATP1B1 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】サクビトリルバルサルタン服用の慢性心不全患者において、バルサルタンの胆汁排泄に関与する有機アニオン輸送ポリペプチド(遺伝子コード:SLCO1B1)の阻害作用を有する、sacubitrilat(サクビトリルの活性代謝物)の臨床的な血中濃度変化が、バルサルタン血中濃度へ影響を与えるか検証する。また、SLCO1B1遺伝子多型によって、バルサルタンの血中濃度上昇の程度が異なるかを検証する。 【研究方法】サクビトリルバルサルタンを一週間以上内服している慢性心不全患者8名を対象とした。トラフ濃度(C0)はUPLC-MS/MS法を用いて測定した。薬物動態関連遺伝子多型はTaqManプローブ法を用いて解析した。 【研究成果】UPLC-MS/MSを用いて血中濃度測定方法を確立した。バルサルタン及びsacubitrilatの一日投与量で補正したC0(C0/D)の中央値は2.15μg/mL/g/daily及び13.85μg/mL/g/dailyであった。また、SLCO1B1*15保有患者(2名)とSLCO1B1*15非保有患者(6名)のバルサルタンのC0/Dはそれぞれ1.44μg/mL/g/daily及び5.86μg/mL/g/dailyであった。今後、目標症例数が集まり次第、sacubitrilatとバルサルタンの薬物動態学的相互作用について統計処理を行い、検討を行う。
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