2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23H05286
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
坂東 寛 徳島大学, 病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ラモトリギン / 皮膚障害 / ビッグデータ解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
ラモトリギン(LTG)による重篤皮膚障害は、血中濃度の急激な上昇が関与し、UDP-グルクロン酸転移酵素(UGT)阻害作用を示すバルプロ酸ナトリウム(VPA)併用でリスクが高いことが知られている。しかし、UGT阻害作用を示す薬剤は睡眠薬、鎮痛薬など多数存在するにも関わらず、それらのLTGへの影響は不明である。そこで本研究では、実臨床でLTGの皮膚障害リスクを上昇させる併用薬を明らかにすることを目的に検討を行った。大規模副作用症例報告データベース(FAERS)で、LTGとの併用で皮膚障害報告数を上昇させる薬剤を探索した。また、多施設共同後方視的研究で、LTG服用患者の併用薬、皮膚障害の有無等を調査した。さらに、前向き臨床研究で、LTG服用患者のLTGトラフ血中濃度や薬物動態関連因子を調査した。FAERS解析の結果、LTGとの併用で皮膚障害リスク上昇を示す薬剤として、既知のVPAに加えて、フルニトラゼパム(FNZP)が抽出された。多施設共同後方視的研究の結果、LTG服用患者の約20%で皮膚障害を認めた。傾向スコアマッチングにより患者背景を調節し解析した結果、FNZP併用群で有意な皮膚障害頻度の上昇を認めた。前向き臨床研究の結果、LTGトラフ血中濃度を体重1kg当たりのLTG投与量で除したC/D比を比較したところ、FNZP併用群でLTGのC/D比が有意に増加した。FNZPは、UGT阻害作用を示す薬剤であり、LTG血中濃度に影響し皮膚障害リスクを上昇させる可能性が示唆された。LTG服用患者の睡眠薬選択および併用時の副作用モニタリングに注意を要する。
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] 大規模医療情報データベース解析を基盤としたラモトリギンの皮膚障害発現リスクに影響する薬剤の探索2023
Author(s)
坂東 寛, 合田 光寛, 新村 貴博, 新田 侑生, 中馬 真幸, 北川 航平, 相澤 風花, 八木 健太, 石澤 有紀, 櫻田 巧, 石澤 啓介
Organizer
生体機能と創薬シンポジウム2023
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[Presentation] 大規模医療情報データベース解析を基盤としたラモトリギンの皮膚障害発現リスクに影響する薬剤の探索2023
Author(s)
坂東 寛, 合田 光寛, 新村 貴博, 新田 侑生, 中馬 真幸, 北川 航平, 相澤 風花, 八木 健太, 石澤 有紀, 櫻田 巧, 石澤 啓介
Organizer
次世代を担う若手のための創薬・医療薬理シンポジウム2023