2023 Fiscal Year Annual Research Report
CYP3A 活性低下によるボノプラザン血中動態の変動と血中ガストリン上昇の関係解析
Project/Area Number |
23H05307
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
坂口 健太 浜松医科大学, 医学部附属病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 薬物血中濃度 / ボノプラザン / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
症例数として50例以上を確保し、ボノプラザン及び代謝物ODA-VPの血漿中濃度を測定し、代謝比を算出した。また、real-time PCR法を用いて、CYP3A5遺伝子多型を評価し、CYP3A5遺伝子多型とボノプラザン及び代謝物の血漿中濃度、代謝比との関連性について解析した。CYP3A5の遺伝子多型の違いによってボノプラザンや代謝物の血中濃度の変化は見られなかった。一方でYP3A4/5 代謝活性を反映する内因性バイオマーカーとして、4β-ヒドロキシコレステロール(4β-OHC)の血漿中濃度を測定した。代謝活性の低いCYP3A5 *3/*3群で4β-OHCは低く、4β-OHC自体がマーカーとして適切であることを確認し、4β-OHCの血中濃度とボノプラザン血中濃度との相関性が確認された。 本研究により、ボノプラザンの血中動態と関連する因子として4β-OHCの血中濃度を特定することができた。4β-OHCの血中濃度がボノプラザンの血中濃度を推定するバイオマーカーとして活用できる可能性を示すことができた。今回、ボノプラザン及びその代謝物の血漿中濃度とCYP3A5 遺伝子多型・CYP3A 活性マーカーとの関連性を解析することで、ボノプラザン血中動態の個人差要因を一部明らかにした。 今後さらなる個人差要因の特定を行うことで、ボノプラザンの血中濃度低下による治療失敗を防ぐとともに、遺伝子多型などを指標としたボノプラザンの個別化投与設計の確立が期待できる。
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