2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23H05340
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
阪口 真希 金沢大学, 医学系, 助教 (40995461)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 血管芽腫 / 周皮細胞 / α-SMA |
Outline of Annual Research Achievements |
目的:血管芽腫の嚢胞形成における周皮細胞の関与を明らかにすることを目的とする。 方法:2002-2022年に金沢大学附属病院脳神経外科で摘出された小脳血管芽腫39例および正常小脳皮質5例を対象とした。電子カルテから手術時の年齢、性別、von-Hippel Lindau病の有無、症状、症状の期間、部位、画像上の腫瘍周囲嚢胞の有無、腫瘍径、腫瘍周囲浮腫の有無を収集した。腫瘍結節周囲に嚢胞を有する腫瘍を嚢胞型、腫瘍周囲嚢胞がない腫瘍を充実型と定義した。組織学的に、reticular subtypeとcellular subtypeに亜分類した。免疫組織学的に、血管透過性に関与すると推測される前毛細血管細動脈から毛細血管におけるPDGFRB, α-SMA, CD31の発現を染色強度と陽性率の積からスコア化した。Ki-67 labeling indexにより腫瘍増殖能を評価した。血管芽腫12例と正常小脳皮質5例において、PDGFRBとCD31およびα-SMAの蛍光二重免疫染色を施行し、血管壁細胞の形態および血管径を解析した。嚢胞型と充実型において、統計学的に嚢胞形成に関与する臨床病理学的な因子を特定した。 成果:血管芽腫では毛細血管レベルにおいてα-SMAの発現がみられ、正常毛細血管では存在しないα-SMA陽性血管壁細胞が存在していた。小脳血管芽腫の嚢胞型20例と充実型19例でα-SMA, PDGFRBの発現を比較したところ、前毛細血管細動脈から毛細血管においてα-SMAの発現が充実型で有意に高かった。蛍光二重免疫染色によるα-SMA陽性細胞の観察で、毛細血管において周皮細胞に特徴的なbump-on-a-logの形態を示した。血管芽腫において、細血管におけるα-SMAを発現する血管壁細胞は嚢胞形成において抑制的に関与し、その一部は周皮細胞であった。
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Research Products
(2 results)