2023 Fiscal Year Annual Research Report
気管支洗浄液中のCADM1 v8/9を対象にした診断的有用性の検討
Project/Area Number |
23H05341
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
村田 佳彦 筑波大学, 附属病院, 主任臨床検査技師
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | CADM1 v8/9 / 小細胞肺癌 / ELISA |
Outline of Annual Research Achievements |
1.研究目的 小細胞肺癌(SCLC)は、肺癌の約15%を占める高悪性度神経内分泌腫瘍であり、特徴的にCADM1が高発現している。SCLCが発現するCADM1分子はスプライシングバリアント v8/9であり、正常組織や他の肺癌の組織型ではほとんど発現していない。本研究では、CADM1 v8/9の気管支洗浄液におけるSCLCの診断的有用性について検討した。 2.研究方法 つくばヒト組織バイオバンクセンター(THBC)では、2010年10月から2022年6月までに筑波大学附属病院にて気管支洗浄細胞診を行った症例の細胞診標本作製後の残余上清2911例が-80℃にて保管されている。組織検体にて小細胞癌と診断された症例で、気管支洗浄液の残余上清が保管されている20例を抽出した。気管支洗浄液中のCADM1 v8/9は、ELISAで測定した。ELISAは、抗CADM1抗体 E9935 を捕捉抗体として、西洋わさびペルオキシダーゼ (HRP) を結合した抗CADM1v8/9抗体 F1222 を検出抗体として、可溶性CADM1v8/9を検出し、測定を行った。 3.研究成果 SCLC20例の気管支洗浄液2mLを、10倍に濃縮し、CADM1 v8/9の濃度を測定した。得られた値は、3.516-11.471 ng/mlであり、陰性コントロールとしたPBSよりも高い値を示した。気管支洗浄液を使用したCADM1 v8/9の検出は実施可能であり、今後は、非小細胞肺癌(腺癌、扁平上皮癌)の症例と比較検討し、気管支洗浄液中のCADM1 v8/9がSCLC特異的であり、診断的有用性があることを明らかにしたい。
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