2023 Fiscal Year Comments on the Screening Results
格差・不平等と社会的分断の実態把握とその解決のため大規模調査による社会科学的研究
Project/Area Number |
23H05402
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Research Category |
Grant-in-Aid for Specially Promoted Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Humanities and Social Sciences
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤原 翔 東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (60609676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永吉 希久子 東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (50609782)
有田 伸 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (30345061)
香川 めい 大東文化大学, 社会学部, 准教授 (00514176)
中澤 渉 立教大学, 社会学部, 教授 (00403311)
長松 奈美江 関西学院大学, 社会学部, 教授 (30506316)
瀧川 裕貴 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (60456340)
保田 時男 関西大学, 社会学部, 教授 (70388388)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2030-03-31
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Summary of the Research Project |
本研究は1955年から10年ごとに実施されてきた「社会階層と社会移動に関する全国調査」(Social Stratification and Social Mobility Survey:SSM調査)を継承発展させる研究である。グローバル化、少子高齢化などの社会の大きな変化に加えて、昨今の国家間の対立や新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、日本の社会的分断に多大な影響を与えている。日本社会の格差・不平等の実態を明らかにするため、従来のSSM調査では分析対象とされなかった外国籍住民や生活困難者、学校中退者、性的マイノリティを調査対象に組み込む。本研究は社会現象の記述に留まらず、そのメカニズムの解明や解決のために更に必要なデータを追跡調査や実験調査により収集して、本調査データと関連付けることで社会階層研究の理論的革新を目指す。
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Scientific Significance and Expected Research Achievements |
本研究の学術的意義は、日本社会における格差・不平等の長期的な趨勢を踏まえて、現代日本の社会的分断の実態とそのメカニズムを明らかにし、解決のための政策を示すことにある。これに加えて、従来のSSM調査の課題を乗り越えるため、これまで周辺的に扱われてきた集団を研究対象に包摂していることから、より総括的に格差・不平等の実態を明らかにできる可能性がある。2025年の本調査の他に、追跡調査と実験調査を実施し、ビッグデータとの連携を試みる点や、データの早期公開と分析手続の公開などによるオープンサイエンスを深化・推進する点など、方法論的革新を含めて新しい時代の社会調査を構想していることが高く評価できる。また、研究分担者・研究協力者とも有機的に連携して研究を推進することが期待できる。
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